今年の10月に行われた福井国体のサッカー競技・女子の部でも素晴らしい活躍を見せ、見事3位入賞を果たした愛媛FCレディース。

愛媛新聞社

 

 

 

 

 福井県での4日間連続の試合を終え、愛媛に戻って来たと思ったら、たったの中1日で今度は、なでしこリーグ2部(第15節)を戦わなければならない。超がつくほどのハードスケジュールだ。

 

 その第15節は、10月6日(土)に行われた。対戦相手はニッパツ横浜FCシーガルズ。前半を0-0で折り返すものの、後半12分に相手に先制を許す苦しい展開となった。後半31分にも追加点を奪われ、会場には敗戦ムードが漂う。それでも、彼女たちは諦めてはいなかった。

 

 疲れている身体に鞭を打って、積極果敢に反撃を試みる。すると36分、FW阿久根真奈選手からのパスを受けたFW上野真実選手がドリブルでゴール前まで持ち込み右足を振り抜いた。シュートは見事、ゴールネットに突き刺さった。大歓声に包まれるスタンド。上野選手のゴールで、一気に反撃ムードが高まった。試合終了間際、敵陣内・右サイドをドリブルで駆け上がるMF仲松叶実選手が中央にクロスボールを供給した。これをDF佐藤比香理選手がヘディングで決め、ついに同点に追いついた。会場の盛り上がりも最高潮だ!

 

 気持ち的には“これから!”という感じだったが、時間は過ぎ去りタイムアップ。2-2で引き分けに終わった。終盤、意地の反撃で追いつくものの、逆転には至らなかった。それでも疲れが溜まっている中、全力を尽くし戦った彼女たちに会場からは温かい拍手が送られた。

 

 10月13日(土)に行われた第16節では敗戦を喫してしまった愛媛FCレディース。(第16節終了時点)リーグ戦2位のニッパツ横浜FCシーガルズに対して勝ち点差は3(リーグ戦1位は自動昇格。リーグ戦2位は入れ替え戦に進出)。なでしこリーグ1部昇格への望みを僅かながらも残しつつ、ホームゲーム最終戦を迎えた。

 

 10月21日(日)、ホーム最終戦の第17節が行われた。対戦相手は静岡産業大学磐田ボニータだ。晴天に恵まれたこの日の愛媛県総合運動公園。最終戦ということもあり会場には、400名を超える観客が詰め掛けた。時刻は午後1時を回り、愛媛のキックオフで試合がスタートした。

 

 序盤からボール支配率を高め、相手陣内で試合を優位に進める愛媛。しかし前半16分、相手のカウンター攻撃から一瞬の隙を突かれ先制ゴールを奪われてしまった。愛媛はゴールを目指し敵陣で積極的にビルドアップを図る。

 

 左サイドからグラウンダーのクロスを阿久根選手がエリア内ニアサイドで足元に収め、敵DFと競り合いながら、逆サイドでフリーのFW桜井由衣香選手にラストパスを送った。ゴールラインを割るギリギリでボールに追いつく桜井選手。スライディング気味にシュートを放つが、ゴールマウスを捉えることはできなかった。

 

 愛媛は後半に入ってもゴールへの意欲を見せる。ペナルティーエリア付近をドリブルでカットインするMF山城見友希選手。シュートフェイントを挟みつつ、ゴール前に走り込む阿久根選手へとスルーパスを通す。阿久根選手がワントラップで方向を修正しながら左足でシュート。しかし、これも枠を捉えることはできなかった。

 

 その後も、相手の守備を崩すシーンが何度か見られたが得点に繋がらないまま、イライラした展開が続く。後半もアディショナルタイムに突入。するとゴール前での混戦から愛媛がPKのチャンスを得た。キッカーはMF西川早弓選手。ボールをセットし、短い助走から右足を鋭く振り抜く。弾丸シュートはゴール左隅に突き刺さり大歓声が沸き起こった。しかし、反撃もここまで。1-1でホームゲーム最終戦を終えることになった。

 

 何とか勝ち点1を積み上げはしたが他チームの試合結果により、リーグ戦2位以内に入れず、なでしこリーグ1部昇格の夢は潰えた。

 

 色々とあった1年だった。リーグ戦序盤には単独首位に立ち、その期間は優越感に浸りながら楽しむことができた。夏には地元で大きな災害があり、愛媛の選手たちはシーズン中にも関わらず、復興支援のため被災地に出向きボランティア活動に汗を流してくれた。過酷な環境下においても、愛媛県のために1年間を全力で闘ってくれた彼女たちやチームスタッフには本当に感謝したい。

 

 1部昇格は叶わず、残念な結果となってしまったが、来季に繋がるような期待感を持てたし、もう少し「夢」の時間を彼女たちと共有したいと感じている。

愛媛新聞社

 

 

 

 

<松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール>

1967年5月14日、愛媛県松山市出身。愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。


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