(写真:ジョセフHCは来年に向けた手応えを課題を口にした)

 日本ラグビーフットボール協会は27日、2018年日本代表総括記者会見を都内ホテルで行った。会見には日本代表(ジャパン)のジェイミー・ジョセフHC、薫田真広強化委員長が出席。ジョセフHCは「得点を獲ることは懸念していない」と攻撃面での手応えを口にすると、薫田強化委員長は「大きな成果があった」と評価した。

 

 25日(現地時間24日)に行われたロシア代表戦を持って、18年のジャパンのテストマッチを終えた。今年の成績は3勝3敗の五分。テストマッチに含まれない世界選抜戦を合わせれば1つの負け越しだ。

 

 16年より現職に就いた薫田強化委員長はこう総括した。

「ジョセフHCを始め、日本代表のコーチングスタッフもサンウルブズの強化に携わり、非常に大きな成果があったシーズンだったと思っております」

 

 ジャパンは6月のリポビタンDチャレンジカップではティア1のイタリアに初勝利、そしてジョージアには完封勝ちを収めた。秋のリポビタンDチャレンジカップツアーではニュージーランド、イングランドのティア1勢、そしてワールドカップ開幕で戦うロシアとの対戦した。薫田強化委員長は「ワールドカップで目標をクリアするための非常に大きな経験を積めたツアーだった」と振り返った。

 

 5月に第1次ワールドカップトレーニングスコッドを発表。「それにより選手間で競争意識が非常に高まった」と薫田強化委員長。国内のスケジュールもジャパンを中心とするものに変わった。「トップリーグから今まで以上の協力体制、支援をいただくことで非常に我々の結果に繋がったというふうに思っています」と頭を下げた。

 

(写真:新シーズンのサンウルブズはアタックコーチのブラウン氏<中央)が指揮を執る)

 16年から指揮を執るジョセフHCは、今年からスーパーラグビーの日本チームであるヒト・コミュニケーションズ サンウルブズにも関わってきた。「時間をかければかけるほど選手たちの理解力が高まり、フィットネスも上がっていき、競争し合えるだけの力を身に付けられた。サンウルブズを私と(アタックコーチの)トニー・ブラウンと構築することによって選手たちとより密な関係性を築き上げることができる。来年のワールドカップに向けて、更なる強化を図れる」と強化の手応えを口にした。

 

 秋のシリーズでは強豪のニュージーランド、イングランド相手にリードする場面もあった。ロシア戦では前半にリードを許しながら、試合をひっくり返した。ジョセフHCは「得点を獲ることは懸念していない」と攻撃には自信を覗わせる。そしてロシア戦については「1年前なら挽回して勝つことはできなかった」と地力がついたことを実感しているようだ。

 

 自国開催となるワールドカップの目標は初のベスト8。ロシア、アイルランド、サモア、スコットランドと予選プールを戦い、2位以内に入らなければいけない。アイルランド、スコットランドというティア1のチームに最低でも1勝は必要である。「ラグビー内容も選手も成長しているが、ティア1に勝つチャンスは1回しかない」とジョセフHC。「引き続きマインドセット、メンタリティーを構築していく」と語った。

 

(文・写真/杉浦泰介)