26日、サッカー日本代表が翌日に控えたキリンチャレンジカップ2014キプロス代表戦に向けて埼玉スタジアム2002で公式練習を行い、選手23名とトレーニングパートナー2名が参加した。公開されたのは冒頭の15分間と全体練習後の自主練習。冒頭15分間では、GK3名がキャッチング練習、右ヒザを痛めたDF酒井高徳以外のフィールドプレーヤーとトレーニングパートナーの2名がボール回しで汗を流した。
 日本屈指のストライカーが代表のピッチに戻ってくる。FW大久保嘉人にとって、約2年ぶりの代表戦。昨季、Jリーグ得点王に輝いた男は、どのようなプレーで指揮官のサプライズ選出に応えるのか。

 12日のメンバー発表から2週間、選手たちは鹿児島でフィジカルトレーニング中心のメニューで体をいじめ抜いた。前日練習でも各選手が一様に疲労感を漂わせていた。しかし、ボール回しなど軽めのメニューをこなす選手たちには笑顔が多く見られ、W杯に向けて充実した時間を過ごせていることがうかがえた。

 明日のキプロス戦は、疲労が蓄積した中での試合だけに、アルベルト・ザッケローニ監督も「フィジカルのキレや輝きを求められない。その代わり、選手には頭のキレを求めたい」と語っていた。その上で、「明日は許される限りたくさんの選手を見たい」と、6人の交代枠を使い切る考えも示唆した。

 そうなると、注目されるのは、約2年ぶりに代表復帰した大久保の起用法だ。指揮官は「(大久保を)どこで使うかは、まだわからない」と明言を避けた。その上で起用が予想されるポジションは、ワントップ、もしくは2列目の両サイドが濃厚か。また鹿児島の戦術練習でプレーしたトップ下もあり得る。いずれにしても、大久保に求められるのはゴールという結果だ。

 この日、大久保は自主練習でミドルシュートの感覚を確かめていた。彼は「(キプロスは)たぶん引いてくるから」と意図を明かした。大久保の中で、明日、点を取るイメージはできつつあるようだ。
「明日は自分の色を出す。だって、そうしないと(存在が)消える。あまりボールは触れないと思うけど、自分の色を出さないと、選ばれた意味がない」

 現在の課題としては「俺は連係面でみんなよりも遅れている。本番までにきっちり合わせていかないといけない」ことを挙げたが、焦る様子はなかった。それでも連係について問う報道陣に対して「大事なのはW杯。焦らないでください」と笑顔でかわす余裕を見せた。

 32歳となったストライカーは、心身共に円熟期を迎えている。