Jリーグは28日、愛媛FCに対し、ホームのニンジニアスタジアムで18日に開催されたカマタマーレ讃岐戦で一部の一部の愛媛サポーターが引き起こしたトラブルについて厳重注意を行った。対象となった事案は、当日の試合開催前、6名の愛媛サポーターが讃岐の選手バスの通行を妨害し、讃岐を侮辱する内容のフラッグを掲げたもの。クラブスタッフの対応により、選手バスは無事スタジアム入りし、フラッグの掲出もその場で取りやめさせたものの、リーグでは「讃岐の選手・スタッフをはじめ、当日スタジアムにご来場いただいた多くのサポーターの皆様に不快な思いをさせてしまったことも事実」とし、クラブの社内体制、警備体制の不備を注意し、再発防止を強く要請した。
 今回のトラブルでは、クラブは既にバスの通行妨害に関わった5名にホームゲームへの入場禁止10試合、通行妨害と不適切なフラッグを掲出した1名にホームゲーム、アウェイゲームとも無期限の入場禁止処分を下している。また、選手バス到着位置の変更や、その付近におけるホームサポーター、アウェイサポーターの導線分離と警備強化といった対策も実施した。
 
 リーグの村井満チェアマンはクラブへの注意に際して改めてコメントを出し、4月22日に発表した「3つのフェアプレー宣言」に触れ、愛媛サポーターの振る舞いを「本試合を楽しみにスタジアムにご来場いただいた多くのファン・サポーターの皆様が不快に思う、先の3つのフェアプレー宣言および私がチェアマンメッセージに込めた思いに反する極めて遺憾な行為」と指摘した。

 その上で、「クラブスタッフによる現場での迅速な対処がなされましたが、日本サッカー界のイメージを毀損する事案を言わざるをえません」と、クラブに対して厳重注意を行った理由を説明。「選手、チームは勿論のこと、ファン・サポーターの皆様、関係者の全員が、常にフェアプレーを尊重し、相手チームに敬意を表し、スタジアムに訪れたすべての方々が気持ちよく試合を観戦していただけるように常に意識し、行動しなければなりません」と訴えた。

 リーグからの注意を受け、愛媛の亀井文雄社長もコメントを発表し、改めて深いお詫びを表明。「クラブとしてJリーグによる厳重注意を厳粛に受け止め、再発防止に取り組んでまいります」と、よりよい観戦環境の整備に努力することを誓った。