◇5月31日 フクダ電子アリーナ 8,083人
 ジェフユナイテッド千葉 1−0 愛媛FC
[千葉] ケンペス(34分)
 新しいクラブの歴史をつくることはかなわなかった。
 J昇格9年目で初の4連勝をかけた相手は千葉。過去の対戦成績は0勝7敗1分。アウェイのフクダ電子アリーナでの0勝4敗とまさに“鬼門”だ。

 スコアこそ0−1だが、試合後の石丸清隆監督が総括したように内容は「完敗」だった。
 立ち上がりこそ、ワンタッチ、ツータッチで素早くつないで相手陣内に侵入できたものの、徐々に押し込まれる場面が増えていく。

「ファーストディフェンスができず、ズルズル下がるので、クロスを何度も上げられる。失点をいつしてもおかしなくない状況だった」
 指揮官は「いい守備ができなかったのが大きな敗因」と指摘する。守護神・児玉剛が好セーブを連発し、最後の砦となっていたが、それだけGKが目立つのは守りが機能していなかった証拠だ。

 そして前半34分、先取点を奪われる。DF中村太亮のCKをニアでFWケンペスに頭で合わされた。連勝中にはなかった失点で展開は苦しくなった。
 
 何とか反撃の糸口をみつけたい愛媛だが、ボールを保持しても前線まで運べない。U-21代表のボランチ原川力は「ミスが多すぎた。(自分自身も)パスミスが4回あった」と唇を噛んだ。この日はU-21の手倉森誠監督が視察に訪れていた。パスがつながらないなら、自ら仕掛けて局面を打開してほしいところだったが、「きれいに崩そうとしすぎてしまった。もっと大胆さが必要だった」と攻撃の起点になれなかった。

 結局、後半のチャンスは25分にボランチの吉村圭司の縦パスに、途中出場のFW渡辺亮太がくさびに入って、FW河原和寿が右からシュートを放ったシーンと、33分にDF西岡大輝のスルーパスに河原が反応して、GKと1対1の状況をつくった場面くらい。いずれも相手GKに阻まれ、ゴールはならなかった。

 残りは、ほぼ攻め込まれる時間が続き、打たれたシュートは20本にも及んだ。児玉の再三のファインセーブがなければ大量失点もあり得た。その児玉は「3試合連続で無失点が続き、できるという勘違いが生まれていたのでは」と指摘する。

 それでもJ2の試合はW杯期間中も続いていく。児玉は「ポジティブにとらえれば、これだけ攻められても1点に抑えられた」と前を向いた。石丸監督も「これだけ問題点が多いのを、いい材料にして次の試合に臨みたい」と出直しを誓った。

 次節からはザスパクサツ群馬(6月7日)、ファジアーノ岡山(14日)とホームでの連戦だ。愛媛に戻って、もう1度連勝記録にチャレンジしたい。

<横浜FCからGK村井が期限付き移籍>

 愛媛FCは、横浜FCからGK村井泰希を期限付き移籍で獲得した。移籍期間は2015年1月31日まで。現在は登録期間外のため、公式戦の出場は7月18日以降から可能となる。21歳の村井は三重・四日市工業高から11年に横浜入り。12年末より、現在、元愛媛の福田健二も所属する横浜FC香港に期限付き移籍し、今季は正GKとしてリーグ戦全18試合に出場していた。愛媛はGK曵地裕哉が7日に右肩関節唇の損傷で手術を受けて全治まで4〜5カ月かかる見込み。試合に出られるGKが2人しかいない状況で、緊急補強となった。

<両チームメンバー>
愛媛FC
GK  1 児玉剛
DF  3 代健司 → 25 村上佑介(82分)
    2 浦田延尚
   23 林堂眞
    4 西岡大輝
MF  8 吉村圭司 
   10 原川力
   14 堀米勇輝 → 22 近藤貫太(78分)
   26 藤直也 
FW 18 西田剛 → 19 渡辺亮太(68分)
   20 河原和寿

ジェフユナイテッド千葉
GK  1 岡本昌弘
DF  2 大岩一貴
   20 キム・ヒョヌン
    5 山口智
   17 中村太亮  
MF 10 兵働昭弘
   16 佐藤健太郎
   26 井出遥也 → 6 田中佑昌(87分)
    8 谷澤達也 → 22 山中亮輔(79分)
   14 大塚翔平 → 28 町田也真人(89分)
FW  9 ケンペス