二宮清純： この人と飲みたい、今回のゲストは大相撲・元関脇の貴闘力さんです。
貴闘力： よろしくお願いします。
二宮： 雲海酒造の本格芋焼酎『木挽BLUE』を飲みながら、相撲談義に花を咲かせましょう。対談場所は貴闘力さんがオーナーの焼肉店『ドラゴ』です。焼肉と焼酎、かなり合いそうです。早速、乾杯！
貴闘力： 乾杯！ いただきます。うん、木挽BLUEのロックはすっきりしているのに芋焼酎らしく香りが立っていますね。うちの肉は仕入れにこだわっていて旨味が強いんですが、どっちも負けていない。お互いの良さを引き出すいい組み合わせです。
二宮： 相撲でいえば好取組？
貴闘力： ですね。宮崎に仕事で行くと木挽BLUEなど焼酎を10本単位でお土産にいただくんです。だから飲み慣れた味でもあります。
二宮： 角界出身者は酒豪ばかり。お手柔らかにお願いします。
貴闘力： はい。では、早速、おかわりを（笑）。
子供の頃から相撲好き
二宮： さて、酒豪の多い関取衆ですが、貴闘力さんは今も毎晩飲んでいますか？
貴闘力： いや。実は今、節酒中です。
二宮： エーッ！ それはまたどうして？ お体でも……。
貴闘力： いやいや、いたって元気ですよ。今、息子（納谷幸之介）が相撲を頑張ってるじゃないですか。
二宮： 先場所は三段目でしたね。
貴闘力： はい。あいつが十両に上がったら一緒に飲もうって決めているから、お酒はちょっと控えているんです。そのときのために酒樽も用意してあります。
二宮： それは楽しみですね。しかし、断酒ではなく節酒なのが元関取らしい。
貴闘力： アハハ。まあ、もともとそんなに量を飲む方じゃないんですが、かといって「断酒中です」なんて断ると座が白けますよね。その辺りは臨機応変にやっています。
二宮： 息子さんの相撲はどうですか。
貴闘力： うーん、体は大きいし（身長188センチ）いいものを持っているんだけど、いかんせんスピードがまだない。というか、大きい体を速く動かす方法が身に付いていない。
二宮： 直接、教えたりはしないんですか？
貴闘力： しませんねェ。今は部屋の大嶽親方（元十両・大竜）が師匠であり、親だから。こっちも口は出せませんよ。
二宮： 貴闘力さんは大鵬部屋の部屋付き親方だった頃から、教え方のうまさに定評がありましたね。
貴闘力： いやいや、どうでしょう。よく「下から行け！」という指導がありますが、僕の場合はただ「下から」と言うだけではなく、どうすれば下から行けるのかを教えていました。加えて「下から行く」意味についても弟子に伝えていましたよ。
二宮： かなり進歩的、そしてスポーツ科学を取り入れた指導だったそうですね。
貴闘力： はい。相撲というのは仕切りの静止状態から、立ち会いの一瞬で100％のパワーを出すことが求められます。ゼロから100です。そのためには闇雲に筋トレをしてもダメなんです。ダンベルを動かす角度で鍛える筋肉が変わりますから、そういうことも勉強していました。昔、「片手懸垂が100回できる」なんて自慢する力士がいましたが、それで相撲が強くなるのかというと、また別の話です。
二宮： そもそも貴闘力さんが角界入りした理由は？
貴闘力： 小さいときから相撲が大好きだったんです。カッコよくて強くて、力士は少年時代のヒーローでした。
二宮： 当時のごひいきは？
貴闘力： 栃赤城さんですね。
二宮： おお、サーカス相撲と呼ばれ、華麗な取り口で人気がありましたね。
貴闘力： 見ていてわくわくする相撲でした。
若貴と同期生
二宮： 藤島部屋に入門したのは何歳のときでしたか？
貴闘力： つてのあった貴ノ花さん（故人）、今は「先代」と呼ばせていただいてますが、その藤島部屋に行ったのが小学校６年生のとき。昭和52年だったかな。体験入門をさせてもらったんですが、「中学出てからまたおいで」と言われて、本当に入門したのは昭和55年です。
二宮： 当然、藤島家の兄弟、"若貴"の２人も一緒に稽古したんですよね。
貴闘力： はい。僕は小学校のときの体験入門で一緒に稽古をしていたから、若貴と同期、藤島の一期生だとずっと思っています。ただ、安芸乃島、こいつが「お前は昭和55年に来たんだから、同期じゃないぞー」とからかってくるんですよ。あいつの相撲は尊敬していたけど、なんかイジワルな野郎だな、って（笑）。
二宮： アハハハ。稽古は厳しかった？
貴闘力： はい。当時は朝起きるのが怖かったんですよ。
二宮： それはなぜでしょう。
貴闘力： 稽古が始まるからですよ（笑）。別にゲンコツで叩かれたり、竹刀でぶたれるのが怖いんじゃなくて、稽古自体が恐怖でした。だってちょっとでも気を抜いていたら、ガチーンとぶちかまされたり、変な風にまわしを取りにいったら腕をキメられますから。一瞬も気が抜けない。「へたしたら死んじゃうんじゃないか」って、そういう意味で本当に怖かったですね。
二宮： それでも相撲が好きだった？
貴闘力： 強くなるのって面白いんだな、と思っていましたよ。
二宮： さて、焼肉もどんどん運ばれてきて、お酒も進んでいます。
貴闘力： うちの厚切りの肉と木挽BLUEのロック、よく合いますね。油を流して口の中をすっきりとしてくれるから、いくらでも食べられる。カルビはこれくらいさっと焼く感じで、ホルモンはじっくり焼いて……、さあ、食べてください。
二宮： いや、これは美味しい！ って、ゲストとホストがあべこべですよ（笑）。さて、現役時代のお酒のエピソードをうかがいます。そんなに飲まない、とおっしゃってましたが、それでも飲んだでしょう？
貴闘力： お付き合い程度です。ただ「あいつは飲めない」という噂が広まると、反対に飲ませようとするヤツが出てくるんですよ。
二宮： 誰に飲まされましたか？
貴闘力： 薩洲洋にやられました（笑）。仙台に巡業に行ったときのこと、彼が「よう、これは飲めんだろ？」と高級ブランデーのボトルを２本、ドンドンッと目の前に置いた。それで悔しいから「いや、飲めます！」って、ボトルを持ってラッパ飲みしてやりましたよ。
二宮： 高級ブランデーをラッパ飲みですか（笑）。
貴闘力： １本飲んだところまでは覚えていますが、２本目は記憶がない。気がついたら仙台の繁華街・国分町を逆立ちして旅館まで帰ってました。
二宮： アハハハ、すっかりお酒に飲まれた格好ですね。
二斗樽を２日で空に
二宮： 貴闘力さんの周りで一番、お酒が強かったのは？
貴闘力： 付け人をやっていた貴ノ浪ですね。あいつが十両に上がったときにお祝いしたら、これまた高級ブランデーを９本も空けましたよ。
二宮： ９本!? 関取では元大関・魁皇の浅香山親方も強かったと聞いています。以前、「僕も引退してお酒が弱くなりました。もう６升しか飲めません」と言ってました。
貴闘力： アハハハ。でも魁皇は飲めるけど、乱れるときがある。酒癖が悪い（笑）。その点、貴ノ浪は強い上に、一度も酔って暴れたことがない。一升瓶を20本開けても、ケロッとしてましたよ。
二宮： 20本!? そういえば先代、貴ノ花さんのお酒はどうでしたか？
貴闘力： 先代はお酒もスマートでした。焼酎のお湯割りをゆっくり、ゆっくり、時間をかけて飲むんです。
二宮： いやー、その光景が目に浮かびますね。
貴闘力： 格好良い方でしたねえ。そういえば先代が亡くなったとき、貴ノ浪が「お弔いだ」と二斗樽を持ち込んで部屋に籠もったんですよ。酒好きの彼なりの追悼だったんでしょう。まあ、その樽も２日で開けてケロッとして出てきましたけど（笑）。
二宮： その貴ノ浪さんも15年、43歳の若さで亡くなりました。
貴闘力： いいヤツほど先に逝っちゃうって本当なんですねェ……。
二宮： ところで、このお店はオープンして何年になりますか？
貴闘力： ここは８年目です。おかげさまで12月と１月は忘年会・新年会の予約が順調に入っています。
二宮： いいお肉を手軽な値段で楽しめる、人気が出ないわけがないですね。
貴闘力： 僕は神戸出身なのでいい牛の仕入れ先にも縁があったんです。それで美味しくて、しかも安く提供できるように日々、頑張っています。
二宮： 庶民の味方ですね。ビジネスマンの貴闘力さんにも乾杯です！
貴闘力： ありがとうございます。いやー、ロックもいいけど、木挽BLUEは水割りもいいですね。割ってもちゃんと香りが残っています。
二宮： 20本は無理でしたが、木挽BLUEのボトルを２本用意していますから、じゃんじゃんいってください。ん？ あっちのテーブルから「おやかたー」と声が。
貴闘力： お店に出ていると、あちこちのテーブルから「写真お願いします」と声をかけられるんですよ。相撲をやっていて良かったな、って思います。ちょっと、行ってきます。
二宮： どうぞ、どうぞ。戻ってきたら、貴闘力さんの優勝したときのエピソードをお願いします。
貴闘力： わかりました。焼肉をつつきながら待っていてください。あ、そのホルモン、もう食べごろです！
（つづく）
（文・写真／SC編集部・西崎）
＜貴闘力（たかとうりき）プロフィール＞
1967年９月28日、兵庫県生まれ。本名・鎌苅忠茂。中学卒業後に、藤島部屋（のちの二子山部屋）に入門。83年３月場所で初土俵を踏み、90年９月場所には幕内入りを果たす。91年５月場所で小結に昇進し、その後、長く三役から幕内上位に定着した。2000年５月場所は幕尻の前頭14枚目まで落ちたが、その場所で史上初となる幕尻優勝を達成した。02年９月場所を最後に現役引退。その後、年寄・大嶽を襲名し、大鵬部屋を継承するも、10年に賭博問題で相撲協会を解雇された。現在は焼肉店｢ドラゴ｣など飲食店を広く展開する。最高位は関脇。通算成績は754勝703敗、三賞(殊勲・敢闘・技能)14回、金星９個。
今回、貴闘力さんと楽しんだお酒は芋焼酎「木挽BLUE（ブルー）」。宮崎の海 日向灘から採取した、雲海酒造独自の酵母【日向灘黒潮酵母】を使用し、宮崎・綾の日本有数の照葉樹林が生み出す清らかな水と南九州産の厳選された芋（黄金千貫）を原料に、綾蔵の熟練の蔵人達が丹精込めて造り上げました。芋焼酎なのにすっきりとしていて、ロックでも飲みやすい、爽やかな口当たりの本格芋焼酎です。
提供／雲海酒造株式会社
＜対談協力＞
ドラゴ 横綱通り店
東京都江東区清澄2-9-11
TEL：03-3641-1129
営業時間：月～土17:00～24:00（LO23：00）、日・祝17:00～23:00（LO22：00）
定休日：無休
☆プレゼント☆ 貴闘力さんの直筆サイン色紙を本格芋焼酎「木挽BLUE」（900ml、アルコール度数25度）とともに読者３名様にプレゼント致します。ご希望の方はこちらのメールフォームより、件名と本文の最初に「貴闘力さんのサイン希望」と明記の上、下記クイズの答え、郵便番号、住所、氏名、年齢、連絡先（電話番号）を明記し、このコーナーへの感想や取り上げて欲しいゲストをお書き添えの上、お送りください。応募者多数の場合は抽選とし、当選発表は発送をもってかえさせていただきます。締切は19年１月10日（木）。たくさんのご応募お待ちしております。なお、ご応募は20歳以上の方に限らせていただきます。
◎クイズ◎ 今回、貴闘力さんと楽しんだお酒の名前は？
お酒は20歳になってから。
お酒は楽しく適量を。
飲酒運転は絶対にやめましょう。
妊娠中や授乳期の飲酒はお控えください。
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