こんにゃく湿布でデトックス
「あの日から、もう4年も経つのか……早いな」
毎年、1月になると初めて抗がん剤を受けた日のことを思い出す。
「できることなら避けたかったけど選択肢がないほど切迫していたよね」
当時のことを妻と振り返ってみた。
病院に検査に行った時は、首の付け根や脇、鼠蹊部だけではなく、お腹や脊髄にまでがん細胞が広がっており、食事療法を始めたものの腫瘍マーカーの数字はどんどん跳ね上がっていっていた。
藁をもすがる気持ちで抗がん剤治療を行うことにしたのである。手術のできない血液のがんである悪性リンパ腫にはとても効果があるが、その分良い細胞もやられてしまい身体へのダメージが大きい。
「抗がん剤をやるなら、それを出すことに力を入れよう」
なるべく早く抗がん剤を身体の中から抜きたいと思い妻に相談したら、いろいろと調べてくれた。
自然療法の先駆者である東城百合子先生の本を見つけてきてくれたので、読んでみるとこれが自分の理想としているものだった。
「田舎のおばあちゃんの知恵袋って感じで良いね」
東城先生の治療法は、心からほっこりするのだ。
化学療法を行うので、なるべくなら他のことは自然のもので行いたいと思っていたので、求めていたものに出会えてテンションが上がった。たとえ科学的根拠がなかったとしても伝統的なものには必ず意味があるはずだ。
「よし、運が向いてきた。絶対に良くなる気がする」
その日から東城先生の本を熟読し、夫婦で講演会にも足を運んだ。
こう書くと完全に民間療法に傾倒し、盲目的になっていると思われがちだが、僕は西洋医学も東洋医学もどちらも否定はしない。つまり、どちらも良い面と悪い面があるのは当然で、いいとこ取りをすべきだと思っているからだ。何事もバランスであり、中庸でいることを常に心掛けている。
東城先生の教えから見つけた治療法でオススメなのが「こんにゃく湿布」(写真)だ。
「こんにゃくなら、簡単に手に入るし、手軽かも」
食事療法や生薬の漢方などのサポートで毎日大変だった妻も大賛成であった。
長く続けるためには、何より安価で手に入りやすいものが助かる。
身近に手に入るものを使い、毎日続けられて、また効果がありそうなものが、自分的にはこの「こんにゃく湿布」だったのだ。
ネーミング的には、ややインパクトに欠けるが、その効能を知ると興味を抱くかもしれない。
こんにゃく湿布は、身体中の毒素を排出し、弱っている腎臓や肝臓を元気にしてくれるという。腎臓は血液を浄化する大事な働きをするし、肝臓も身体に悪いものや毒素を排出してくれる。
強い薬と違って、こんにゃくを使うというのがなんとも身体に優しく感じる。
僕は、抗がん剤を受けた日にこの「こんにゃく湿布」を試してみたが、その効果をじんわりと体感できた。
じんわりと効くところがポイントなのである。自然療法に速効性を求めてはいけない。じっくりと長い目で取り組むべきだと思う。 僕は自然療法を4年間続けている。自分なりの手応えを感じているので、きっと肌に合っているのだろう。
興味のある方は、この「こんにゃく湿布」を一度試してもらいたい。
デトックス効果があるので、多くの方にも役に立つと思う。
こんにゃく湿布の作り方だが、2枚のこんにゃく(写真)を10分ほど茹で、1枚ずつタオルにくるみ、肝臓と丹田の位置にもう1枚ずつタオルを敷き、その上にタオルにくるんだこんにゃくを乗せるのだ。おでんの時のような熱々状態なので、しっかりとタオルに包まないと火傷してしまう。
脾臓の位置には濡らした冷たいタオルを当て、肝臓と丹田の温かいこんにゃく湿布は30分、脾臓の冷たいタオルは10分でとる。この水で濡らしたタオルを身体につける時、かなり冷やっとするのでちょっとした覚悟がいる。慣れると、この感触が逆に病み付きになるかもしれないが……。
さて、30分経ったら肝臓と丹田のこんにゃく湿布をとり、冷たいタオルで1分くらい冷やす。
これで終わりではない。まだ後半戦が待っている。
今度は背中の左右の腎臓の位置に温かいこんにゃく湿布を乗せ、脾臓の位置には冷たいタオルを置く。
こちらも腎臓は30分、脾臓は10分だ。30分が経ち腎臓の上のこんにゃくをとったら冷たいタオルで拭いて終了となる。
こんにゃくは水を張った容器に入れておけば何度も使うことができる。小さくなってきたら交換するので、経済的にも優しい。これは今も続けていることの1つである。
忙しい現代人にとって、1時間もの時間を取るのは容易ではないと思うが、週に1度でもやってみると随分と身体が楽に感じられるだろう。少し手間はかかるが、コストはかからないので、続けてみる価値はあると思う。
がんなど大病を患う前に「こんにゃく湿布」で健康を維持してもらいたい。
(このコーナーは毎月第4金曜日に更新します)