23日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会のグループH第2節で、ベルギーがロシアに1−0で勝利した。前半は互いに得点機を迎えたものの、生かすことができず、スコアレスで試合を折り返した。後半も拮抗した状態が続く中、両チームとも交代策で活路を見いだそうとした。それでも無得点のまま試合は展開していったが、43分、途中出場のFWディボック・オリギが決勝点。連勝のベルギーは2002年日韓W杯以来のベスト16進出を決めた。

 19歳・オリギ、ベスト16導く土壇場弾(リオデジャネイロ)
ベルギー 1−0 ロシア
【得点】
[ベ] ディボック・オリギ(88分)

 初戦に続き、指揮官の采配が的中した。ベルギーは途中出場のオリギが決勝点を奪って連勝。02年日韓W杯でも決勝トーナメント進出を決めた縁起のいいロシア戦で、再び16強を決めた。

 ベルギーは序盤からボールを支配し、前半20分と22分にMFドリース・メルテンスがドリブル突破からミドルシュートを放つなど、ロシアゴールを脅かした。

 主導権を掴みたいベルギーだが、31分にアクシデント。試合前の練習で左ヒザを痛めたDFトーマス・ベルメーレンが、強行出場も無念の交代となった。

 中軸の選手をひとり欠いたベルギーは44分、ロシアに決定機をつくられる。左サイドからクロスをFWアレクサンドル・ココリンにフリーで合わせられた。ひやりとさせられたが、シュートはゴール右へと外れた。

 スコアレスで迎えた後半12分、マルク・ヴィルモッツ監督が動いた。FWロメル・ルカクに代えて19歳のオリギを投入。積極的な采配で均衡を破りにかかった。

 だが、後半はロシアにセットプレーやミドルシュートなどでゴールを脅かされ、我慢の時間帯が続いた。それでもGKティボ・クルトワの好守や、DFバンサン・コンパニ、DFダニエル・ファンブイテンら守備陣の体を張った守りで劣勢をしのいでいった。

 我慢が実を結んだのは43分だ。カウンターでパスを受けたオリギが、MFエデン・アザールにボールを渡す。アザールはドリブルでPA内左を仕掛け、マイナスに折り返した。ここに待っていたのがオリギ。右足ダイレクトで豪快にゴールネットを揺らした。交代で起用したオリギのゴールに、ヴィルモッツ監督は飛び跳ねながら喜びを表現した。

 その後はベルギーがロシアを押し込むかたちで着実に試合を進め、タイムアップを迎えた。2試合連続で1点差ゲームをモノにしたベルギーは、第3戦で首位通過をかけて韓国と対戦する。すでにベスト16進出は決定しているだけに、主力を温存させることも可能だ。ヴィルモッツ監督の采配に注目が集まる。

(鈴木友多)

【ベルギー代表】
GK
ティボー・クルトワ
DF
トビー・アルデルワイレルト
トマス・ベルメーレン
→ヤン・フェルトンヘン(31分)
バンサン・コンパニ
ダニエル・ファン・ブイテン
MF
アクセル・ビツェル
ケビン・デ・ブルイネ
マルアン・フェライニ
FW
ロメル・ルカク
→ディボック・オリギ(57分)
エデン・アザール
ドリース・メルテンス
→ケビン・ミララス(75分)

【ロシア】
GK
イゴール・アキンフェエフ
DF
アレクセイ・コズロフ
→アンドレイ・イェシチェンコ(62分)
セルゲイ・イグナシェビッチ
バシリ・ベレズツキ
ドミトリ・コムバロフ
MF
デニス・グルシャコフ
オレグ・シャトフ
→アラン・ジャゴエフ(83分)
ビクトル・ファイズリン
FW
マクシム・カヌンニコフ
アレクサンドル・ココリン
アレクサンドル・サメドフ
→アレクサンドル・ケルジャコフ(90分)