今回で18回目を迎えた「大亀財団スポーツ賞」の表彰式が2月21日に行われた。2001年から始まったスポーツ賞はスポーツ界で優秀な成績を収めた選手・団体の他、育成・発展に貢献した個人や団体を称えるもの。今回は特別賞を含めて8人、1団体が受賞した。


 主に世界選手権など広く海外で活躍した選手が対象となるスポーツ大賞には、柔道の立川新選手が選ばれた。四国中央市出身の立川は3歳から柔道を始め、小学3年で西日本大会優勝。中学3年で出場した全国中学校大会で優勝を果たした。高校は新田高に進学し、3年時に全国高校選手権、インターハイで2冠を達成した。東海大学進学後、講道館杯を3連覇し、昨年はバクーで行われた世界選手権の団体優勝に貢献。この2月に行われたグランドスラムパリ大会にも出場し、来年の東京五輪では代表入りとメダル獲得が期待されている。

 

 立川も「今年は2月のヨーロッパ遠征で結果を残して、目標は世界選手権での優勝。そこからオリンピックが見えてくる。東京では金メダルをとりたい」と力強く語る。持ち味の"投げられない柔道"で世界一を目指す。

 

 表彰式は代表合宿で欠席となったが、父・昭宏氏が「応援をしていただいている愛媛の方々のためにも、良い結果を出して明るいニュースを届けたい」と感謝のメッセージを披露した。

 

 国内大会で活躍した選手や育成及び他の業績によってスポーツ界に貢献した人物を顕彰する「菜の花賞」に選ばれたのは以下の6人。

 

 陸上競技の河添千秋選手は、昨年の福井国体で走り幅跳び優勝、三段跳び2位。インターハイ三段跳び優勝。U-20日本陸上選手権三段跳び優勝と大活躍を見せた。また四国高校陸上選手権三段跳びでは12m96を跳び、23年ぶりに日本高校新記録を更新した。「これからもっと進化します」と語る河添は、日本女子陸上のホープとして三段跳び13m超、東京オリンピック出場を目指す。

 

 自転車競技指導者の菊池仁志氏は、松山城南高自転車競技部コーチとして、一昨年、インターハイ男子学校対抗で県勢初の優勝を飾り、昨年、インターハイ2連覇を果たした。愛媛県の自転車競技の振興とさらなる発展に期待がかかる。

 

 剣道指導者の濱田豊彦氏は県剣道連盟強化委員長・国体総監督として、一昨年の国体完全優勝に続いて、昨年の福井国体成年女子5位、少年女子5位、女子総合6位を達成した。ひたすらに日本一を目指して剣の道を究めてきた情熱と輝かしい成果が評価された。

 

 その他、剣道指導者の矢野壹紀氏、柔道指導者の山口奈美氏、弓道指導者の渡邊豊氏の功績に対して菜の花賞が贈られた。またふるさとスポーツ賞は、ビーチバレー普及活動の功績を称えて伊予市ビーチバレー普及委員会に。スポーツファーマシストとしてアンチドーピング活動に取り組んだ薬剤師・堀尾郁夫氏には特別賞が贈られている。

 

 大亀スポーツ振興財団の大亀孝裕理事長は、表彰式でこう式辞を述べた。
「本日ここに、愛媛県知事中村時広様、愛媛県議会スポーツ振興議員連盟会長戒能潤之介様はじめ、多数のご来賓の皆様のご臨席を賜り、第18回スポーツ功労者表彰式をこのように盛大に開催することが出来ますこと大変ありがたく、嬉しく思いますとともに、ご多忙の中ご出席いただきました皆様方に心から厚くお礼を申し上げます。

 

 多くのご推薦をいただきました中から、選考委員会で厳正にご審議いただき、ただ今表彰させていただきました。皆様方の日頃のご努力・ご精進に対しまして衷心より敬意を表しますとともに、お慶びを申し上げる次第でございます。

 

 さて、当財団は、県内のスポーツの向上発展に寄与することを目的に、平成12年に設立し18年間を経過いたしました。これまで今回の表彰を含めまして、36団体、141名の方々を顕彰申し上げますとともに、それぞれの競技団体や選手の皆さんの様々なスポーツ活動に対して支援を行ってまいりました。県内のスポーツの振興に、いささかなりともお役に立てたのではないかと、自負しているところでございます。

 

 ご承知のように『えひめ国体』後、県や県スポーツ協会を中心に、新しい取り組みが始まっておりますが、中でも地域スポーツの振興を図っていくことが重要ではないかと考えます。その観点からも、県内の各スポーツ協会や競技団体を統括する、県スポーツ協会の役割と責任は益々大きなものとなっており、また今年度中村時広会長を中心とする新たな体制でスタートしたところであります。

 

 このような状況の中、我々といたしましては、より地域の実情に即した効果的な支援活動を行うためには、私共の資産を提供し、県スポーツ協会と一体となって活動することが望ましいのではないかと考えました。現在、本年4月1日からの合併を目指して手続きを進めているところでございます。

 

 従いまして、本日の表彰式が最後となる訳でありまして、誠に感慨深いものがございます。これまで皆様方から頂きました温かいご支援・ご協力に対しまして、改めて心から厚くお礼を申し上げます。

 

 来年度からは、県スポーツ協会の中で、我々の思いを何らかの形で引き継いでいただけるものと考えておりますので、どうか変わらぬご支援・ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

 終わりになりましたが、本日受賞された皆様方には、くれぐれもご自愛のうえ、一層のご活躍を頂きますよう、併せて県スポーツ協会を中心に、本県の地域スポーツがますます振興・発展するよう祈念いたしますとともに、財団創設以来18年間にわたりまして、皆様方から賜りました格別のご厚情に対しまして、心より重ねてお礼を申し上げ式辞と致します」

 

◆第18回大亀財団スポーツ賞受賞者一覧
スポーツ大賞
立川新(柔道)

 

菜の花賞
河添千秋(陸上競技)
菊池仁志(自転車競技指導)
濱田豊彦(剣道指導)
矢野壹紀(剣道指導)
渡邊豊(弓道指導)

 

ふるさとスポーツ賞
伊予市ビーチバレー普及委員会(ビーチバレー普及活動)

 

特別賞
堀尾郁夫(薬剤師・スポーツファーマシスト)


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