B.LEAGUE2018-19シーズンはポストシーズンが4月27日にスタートした。チャンピオンシップ(CS)のクォーターファイナルを終え、セミファイナルは東地区1位・千葉ジェッツふなばしvs.同2位・リンク栃木ブレックス、西地区1位・琉球ゴールデンキングスvs.東地区3位(ワイルドカード)・アルバルク東京という組み合わせとなった。

 

 4日からスタートするセミファイナル。千葉・船橋アリーナで開催する千葉vs.栃木はリーグ勝率1位と2位の頂上決戦だ。B.LEAGUE史上最高勝率(8割6分7厘)を残した千葉は、速攻とスリーポイント(3P)を武器に攻撃的なバスケットが魅力だ。レギュラーシーズンは1試合平均86.0点。リーグトップの攻撃力を誇る。中地区3位(ワイルドカード)・富山グラウジーズとのクォーターファイナルでも102-73、96-85で連勝した。

 

 司令塔のPG富樫勇樹は好調を持続している。クォーターファイナルはいずれも得点とアシストでのダブルダブルを達成した。脇を固める選手たちも3Pが面白いように決まった。特にSG田口成浩は2試合の3P成功率は6割を超える。対戦相手の栃木はリバウンドが強い。PFギャビン・エドワーズらインサイドプレーヤーの出来が2季連続のファイナル進出のカギを握るだろう。

 

 東地区連覇、全日本総合選手権大会3連覇の千葉にとってB.LEAGUEチャンピオンだけがまだ手にできていないタイトルだ。まずは赤く染める船橋アリーナの後押しを受け、ファイナルが開催される横浜行きを決めたい。

 

 初代王者の栃木は堅い守備が売りだ。総失点数は千葉を下回る。1試合平均は70.9点。PG田臥勇太、PG/SG遠藤祐亮、PF/Cライアン・ロシター、PF/Cジェフ・ギブスたちがアグレッシブなディフェンスを見せる。クォーターファイナルでは川崎ブレイブサンダースを57点、62点と抑え込んだ。

 

 今年の全日本総合決勝で敗れ、天皇杯は千葉に譲ったものの今季リーグ戦の対戦成績は3勝3敗の五分である。敵地での勝率は千葉のホーム勝率と同じ。リバウンド争いを制し、千葉の速攻を封じれば勝機は十分に見えてくる。

 

 もうひとつのセミファイナルは沖縄市体育館で西地区王者の琉球と昨季覇者のA東京が対戦する。リーグ1位とリーグ2位の失点数。いずれも1試合平均は60点台の最強の“盾”対決だ。

 

 最少失点の琉球はガード陣にPG/SG石崎巧、PG橋本竜馬、PG/SG岸本隆一、PG並里成ら豊富な人材を揃える。特に並里はファンタジックなプレーで観客を魅了する。得点力のある岸本とのツーガードは破壊力十分。SF/PFアイラ・ブラウンなどインサイドにもタレントを揃える。2シーズン続けての大型補強を敢行した琉球が黄金時代を築く。

 

 連覇を狙うA東京もタレント軍団である。PF/C竹内譲次、SG田中大貴、SF馬場雄大は今年のW杯出場権を勝ち取った日本代表戦士。ルカ・パヴィチェヴィッチHCの下、大きく成長した選手たちだ。得点源は豪快なダンクが持ち味のCアレックス・カーク、アウトサイドからのシュートも上手いPFミルコ・ビエリツァという外国人選手がチームを支える。

 

 ファイナルは11日、横浜アリーナで行われる。3シーズン目のチャンピオンリングをかけた戦い。その決戦へとコマを進めるのはどこか。ゴールデンウィーク終盤のCSセミファイナルに注目だ。

 

(文/杉浦泰介)