日本サッカー協会は10日、都内で会見を開き、6月7日に開幕するFIFA女子ワールドカップフランス大会のメンバー23人を発表した。昨年4月に右膝前十字靭帯損傷と内側半月板損傷の重傷を負ったMF阪口夢穂(日テレ・ベレーザ)が4大会連続で、DF熊谷紗希(リヨン)が3大会連続でW杯メンバーに選出された。その他、U-20の女子W杯優勝メンバーのFW植木理子、FW遠藤純(ともに日テレ・ベレーザ)らが代表入りを果たした。

 

 なでしこジャパンの高倉麻子監督は2016年に就任してから、選手選考に関して4つの項目を上げていた。テクニックがあり、賢さがあり、走力があり、代表のために戦える選手――。これらを兼ね備えた23人が発表された。

 

 遠藤、植木ら10代の“ヤングなでしこ”組を選出した。高倉監督は「年齢で選んだわけではない。様々なメンバーを試した中で、結果的に若い選手が残った。爆発的に何かやってくれそうなので期待して選んだ」と語った。

 

 一方、ベテラン組は阪口、熊谷、DF宇津木瑠美(レインFC)、鮫島彩(INAC神戸レオネッサ)らが選出された。ベテラン勢に期待することを高倉監督はこう語った。

「本番にしかない緊張感の中、不測の事態も起こると思う。その時にベテランにはチームを支えて欲しい」

 

 なでしこはアルゼンチン代表(日本時間11日)、スコットランド代表(14日)、イングランド代表(20日)と同組のグループD。高倉監督は各国の印象を口にした。

 

「初戦のアルゼンチンは映像を見てもトリッキー。南米らしく強引にゴールを狙ってくる。簡単な相手ではないし、初戦の難しさもある。スコットランドは新鋭だが厳しいヨーロッパ予選を勝ち上がってきている。最近では良い試合もしている。イングランドは経験のある監督に代わった。3戦目の大きな山ですが、慎重かつ大胆に戦っていけるようにしたい」

 

「難しい挑戦だが優勝を目指したい」と高倉監督は意気込みを語る。2011年ドイツ大会以来、世界の頂きからは遠ざかっている。若返ったなでしこジャパンは、6月2日にスペイン代表と親善試合を行い、W杯初戦のアルゼンチン代表戦に臨む。

 

【なでしこジャパンメンバー】

GK

池田咲紀子(浦和レッズレディース)

山下杏也加(日テレ・ベレーザ)

平尾知佳(アルビレックス新潟レディース)

DF

鮫島彩(INAC神戸レオネッサ)

宇津木瑠美(レインFC)

熊谷紗希(リヨン)

三宅史織(INAC神戸レオネッサ)

清水梨紗(日テレ・ベレーザ)

市瀬奈々(マイナビベガルタ仙台レディース)

宮川麻都(日テレ・ベレーザ)

南萌華(浦和レッズレディース)

MF

阪口夢穂(日テレ・ベレーザ)

中島依美(INAC神戸レオネッサ)

籾木結花(日テレ・ベレーザ)

長谷川唯(日テレ・ベレーザ)

杉田妃和(INAC神戸レオネッサ)

三浦成美(日テレ・ベレーザ)

FW

菅沢優衣香(浦和レッズレディース)

岩渕真奈(INAC神戸レオネッサ)

横山久美(AC長野パルセイロ・レディース)

小林里歌子(日テレ・ベレーザ)

植木理子(日テレ・ベレーザ)

遠藤純(日テレ・ベレーザ)

 

(文/大木雄貴)