日本サッカー協会は23日、国際親善試合のトリニダード・トバゴ代表戦(6月5日、愛知)、エルサルバドル代表戦(6月9日、宮城)のメンバー27名を発表した。MF久保建英(FC東京)、GK大迫敬介(サンフレッチェ広島)、DF中山雄太(ズヴォレ)がA代表に初選出された。

 

 17歳の久保と19歳の大迫が初招集された。両選手とも所属クラブではレギュラーに定着している。久保はリーグ戦11試合に出場し2得点3アシストをあげている。大迫は今季、リーグ戦に全試合先発出場を果たしている。ポーランドで開催されるU-20ワールドカップ(日本時間5月24日~)への出場を見送られてA代表に選ばれた日本サッカー界期待の逸材だ。

 

 日本代表の森保一監督は両選手の今季の活躍に目を細める。

「2人は年齢に関係なくクラブで存在感を発揮し、結果につながるプレーをしているから招集しました。彼らはまだ伸びしろがある。今のパフォーマンスに加え、日本代表での経験をクラブに持ち帰り、さらに成長して欲しい。本当に年齢に関係なく良いパフォーマンスをしている。(今回の初選出は実力で)彼らが勝ち取ったものです」

 

 特に久保は注目選手である。会見でも彼についての質問が多かった。久保はバルセロナの下部組織出身で、2015年3月にFC東京の下部組織に入団。17年にトップチームデビューを果たした。U-20代表への飛び級はあったが、A代表選出はなかった。これまではバルセロナ仕込みの足元の巧さはあったものの体の線が細く、ひ弱な印象があった。

 

 ところが今季は巧さに加え、逞しいプレーをJリーグで披露している。体が一回り、二回りも大きくなり、首も太くなったように映る。厳しいマークを受けて潰されると試合から消えてしまうのはもう、過去の話だ。右サイドハーフとしてFC東京の攻撃に緩急をつける役割を果たしている。MFとして守備面での貢献も目立つ。リーグで首位を走るFC東京を牽引している。周囲も納得の選出と言っていいだろう。

 

 森保監督は会見場で久保についてこう語った。

「所属クラブの中心選手となっているから招集した。直近の2試合ではゴールも決めています。クラブを勝たせる仕事をしている。彼は攻撃のアクセントになる。緩急を織り交ぜながら変化をつけられる選手です。代表では国を背負って戦う経験ができる。その経験を成長につなげて欲しい」

 

 久保がキリンカップに出場し、得点をあげると金田喜稔の19歳119日の最年少ゴール記録を大幅に更新する。6月は彼の左足に注目である。

 

<日本代表メンバー>

GK

川島永嗣(ストラスブール)

権田修一(ポルティモネンセ)

シュミット・ダニエル(ベガルタ仙台)

大迫敬介(サンフレッチェ広島)

 

DF

長友佑都(ガラタサライ)

槙野智章(浦和レッズ)

酒井宏樹(マルセイユ)

昌子源(トゥールーズ)

室屋成(FC東京)

植田直通(セルクル・ブリュージュ)

畠中慎之輔(横浜F・マリノス)

中山雄太(ズウォレ)

冨安健洋(シントトロイデン)

 

MF

香川真司(ベシクタシュ)

原口元気(ハノーファー)

小林祐希(ヘーレンフェイン)

柴崎岳(ヘタフェ)

伊東純也(ゲンク)

橋本拳人(FC東京)

中島翔哉(アルドゥハイル)

南野拓実(ザルツブルク)

守田英正(川崎フロンターレ)

堂安律(フローニンゲン)

久保建英(FC東京)

 

FW

岡崎慎司(レスター)

大迫勇也(ブレーメン)

鈴木武蔵(北海道コンサドーレ札幌)

 

(文/大木雄貴)