8月25日(月)

◇決勝
 エース福島、2戦連続完投
三重      3 = 020010000
大阪桐蔭   4 = 01100020×
 勝てば初優勝の三重と、春夏連覇を果たした2012年以来2年ぶりの頂点となる大阪桐蔭との決勝戦。初回はお互いにランナーを出しながらも得点を許さず、ともに前日の準決勝で完投したエースがまずまずの立ち上がりを見せた。

 2回表、三重は先頭の5番・稲葉隆也(3年)が甲子園初ヒットとなる二塁打を放ち、先制のチャンスをつかむ。次打者が犠打を小フライにしてしまうも、7番・世古錬(3年)が四球で出塁して1死一、二塁にすると、8番・中林健吾(3年)が初球をフルスイング。レフトオーバーの二塁打となり、三重が2点を先制した。その裏、大阪桐蔭は2死二塁から8番・福田光輝(2年)のタイムリーで1点を返した。3回表、1死一、二塁というピンチを併殺で凌いだ大阪桐蔭はその裏、先頭の1番・中村誠(3年)が二塁打を放つと、暴投で三塁へ。1死後、3番・香月一也(3年)がきっちりと犠打で中村を返し、同点に追いついた。

 5回表、三重は先頭の1番・長野勇斗(3年)がヒットで出塁する。ここで大阪桐蔭に痛恨のミスが出る。2番・佐田泰輝(3年)の犠打を、エース福島孝輔(3年)が二塁へ送球するも、これがそれて、無死一、三塁とピンチを広げてしまう。このチャンスを三重は逃さなかった。3番・宇都宮東真(3年)がアウトローのボールをすくい上げ、センター前へポトリと落ちるテキサスヒット。三塁ランナー長野が勝ち越しのホームを踏んだ。投げては三重のエース今井重太朗(3年)が4、5回を3者凡退に切ってとる好投を見せた。

 6回裏、大阪桐蔭は先頭の2番・峯本匠(3年)が久々のヒットで出塁するも、香月は併殺に倒れ、2死無走者となる。さらに4番・正随優弥(3年)は止めたバットにボールが当たり、ボテボテのゴロに。大阪桐蔭は自分たちのリズムをつくることができない。しかし7回表、1死三塁というピンチを無失点で切り抜けた大阪桐蔭はその裏、四死球とヒットで1死満塁とすると、2死後、中村が高めに浮いた直球を振り切る。フラフラと上がった打球を中堅手が激走し、ダイビングキャッチを試みるも、あと一歩届かない。この間に2走者が返り、大阪桐蔭が主将の一振りでこの試合初めてリードを奪った。するとその直後の8回表、エース福島が3者凡退に切ってとり、流れを引き寄せる。

 8回裏、三重はエース今井をライトに下げ、2番手・森竜之助(3年)をマウンドに上げた。その森から大阪桐蔭は先頭の香月がヒットで出塁し、正随が犠打を決めて1死二塁とした。すると、ここで三重は早くも3番手・瀬戸上晶(3年)にスイッチした。その瀬戸上は5番・青柳昴樹(2年)を死球で出すも、後続を打ち取り、大阪桐蔭に追加点を許さなかった。

 9回表、1点ビハインドの三重に対する声援が、甲子園にこだまする。1死から9番・今井が高めに浮いたボールを見逃さず、センターへクリーンヒット。さらに1番・長野もレフト前へヒットを放つ。反撃の連打に甲子園のボルテージが一気に上がった。ここで三重は代打に甲子園初打席となる鈴木颯馬(2年)を送った。大阪桐蔭にとってアウエー感漂う中、エース福島は冷静だった。鈴木を空振り三振に切ってとると、最後はこの試合2安打を放っている宇都宮を遊ゴロに打ち取った。前日完投し、公式戦では初の連投となった福島だったが、この日も11安打を打たれながらも3失点に抑える粘りある投球で完投し、エースとしての意地を見せた。三重の粘りを振り切って1点差を守り切った大阪桐蔭が、2年ぶり4度目の全国制覇を達成した。