1日、J1第14節2日目が各地で行われた。首位を走るFC東京はホームで大分トリニータと対戦し、MF久保建英の2ゴールを含む3対1で勝利した。この試合で久保は一度チームを離れ、日本代表の活動に参加する。また、4日に18歳の誕生日を迎え、古巣のバルセロナを含む複数の海外クラブへの移籍の可能性も報じられている。

 

 久保「股下は狙っていた」(味の素スタジアム)

FC東京 3-1 大分トリニータ

【得点】

[F] 橋本拳人(30分)、久保建英(39分、90+1分)

[大] オナイウ阿道(59分)

 

 この日は「久保の日だった」と言っても過言ではなかった。それほどまでに彼ひとりで大分DF陣を混乱させていた。まずはそのプレーを振り返ろう。

 

 前半2分、久保はFWディエゴ・オリベイラとのワンツーパスで右サイドを突破し、ドリブルで持ちあがり時間をつくる。この間にオリベイラが猛ダッシュでペナルティーエリア内に入る。久保はこの動きを見逃さずに左足でスルーパスを出す。惜しくもオリベイラのシュートはGKに阻まれたが、このプレーで一気に流れを引き寄せた。7分にも同じような右サイドから斜めのスルーパスからチャンスを演出。このパスについて久保はこう語っている。

 

「パスを受ける味方にどれだけ楽をさせてあげられるかを意識しています。パススピードが速くて受け手とズレることもあるが、受け手がボールを止めてくれさえすれば、(状況的に敵が来なくて)楽に前を向けるので、ああいうパスをつけていきたい」

 

 FC東京がMF橋本拳人のゴールで先制して迎えた39分。久保の左足が輝く。左サイドでセカンドボールを拾った久保はペナルティーエリアに向かってドリブル。相手DFがカバーに入った。この時、久保は「(DFの)股下を狙った」というシュートは相手の足に当たりながらも股下を通過し、ゴールニアサイドに突き刺さった。

 

 このゴールシーンを「ボールを持った時からシュートを打つことを決めていた」久保。迷うことなく左足を一閃し、貴重な追加点を奪った。

 

 後半に入ると久保はドリブルで観客を魅了した。9分、右サイドでボールを持つと、ダブルシザースフェイントと鋭いターン。相手DFは足を滑らせ、久保についていけなかった。久保は決定的なクロスをゴール前に供給。惜しくもMF髙萩洋次郎のシュートは枠からそれてしまったが、久保のドリブルは観客のため息を誘った。

 

 2対1で迎えた後半アディショナルタイム。久保の守備から攻撃が始まる。相手DFがGKにバックパスを試みるが、このパスが緩くなった。これを久保は見逃さなかった。猛ダッシュでパスをカットするとペナルティーエリアを飛び出したGKをヒラリとかわし、無人のゴールに流し込み、3対1とチームをセーフティーリード圏に導き、チームに勝利をもたらせた。

 

 久保はこの試合を終えた後、日本代表の活動に合流する。大きくなって味の素スタジアムに帰ってくるか。それとも、活躍の地を海外へ求めるのか――。

 

(文/大木雄貴)