サッカー日本代表(FIFAランキング26位)は5日、トリニダード・トバゴ代表(FIFAランキング93位)と豊田スタジアムで親善試合を行い、スコアレスドローに終わった。令和初の代表戦で森保一監督は3-4-2-1システムを試したものの、攻撃陣が不発に終わった。

 

 久保建英ら4人がベンチ外(豊田スタジアム)

日本代表 0-0 トリニダード・トバゴ

 

 森保監督はA代表で初めてスリーバックを試した。並びは左からDF畠中槙之輔(横浜F・マリノス)、DF昌子源(トゥールーズ)、DF冨安健洋(シントトロイデン)。前線はワントップにFW大迫勇也(ブレーメン)、シャドーの位置にMF中島翔哉(アドゥルハイル)とMF堂安律(フローニンゲン)を置いた。

 

 この一戦、3-4-2-1が機能したとは言い難かった。シャドーとウイングバックの連係で相手のサイドを崩せるのがこのシステムの強みだ。だが、シャドーの単独突破に頼るかたちが多かったように映った。

 

 24分、ウイングバックとシャドーが絡んでサイドを崩した数少ない場面だった。右サイドで堂安がボールをキープ。オーバーラップした酒井がボールを受け、グラウンダーのクロスを供給。ニアに走り込んだ大迫が合わせるが相手GKに阻まれた。

 

 33分から中島が個の力で相手ゴールに襲い掛かる。左サイドでボールを持つとペナルティーエリア内にいる大迫にアーリークロスを送るがわずかに届かず。34分にはペナルティーエリア外からミドルシュート。数分後にはペナルティーエリア外の左サイドで中島が仕掛けファウルを誘発。自らがキッカーを務めたがシュートはクロスバーに嫌われた。

 

 後半に入っても、効果的にサイドを崩せたのは数えるほどだった。17分、左ウイングバックの長友佑都(ガラタサライ)がMF柴崎岳(ヘタフェ)とのワンツーでサイドをえぐり鋭いクロスを入れる。これに反応した大迫がダイビングヘッドで合わせたが、相手DFにブロックされた。

 

 26分には中島に代えてMF南野拓実(ザルツブルク)をシャドーの位置で起用した。40分、大迫からペナルティーエリア内左サイドでスルーパスを受けた柴崎が右足インサイドでシュートを放つが、GKに弾かれる。このこぼれ球に南野が反応し、シュートを放つもののジャストミートはしなかった。

 

 令和最初の日本代表戦はスコアレスドローに終わった。慣れ親しんだ4-2-3-1ではなく、すり合わせる時間がないなかであえて新システムを試した森保ジャパン。4日後に仙台で行われるエルサルバド代表(FIFAランキング71位)戦でも新システムで臨むのだろうか。短い時間で課題を修正できるか指揮官の腕の見せどころである。

 

(文/大木雄貴)