サッカー日本代表(FIFAランキング26位)は9日、宮城県のひとめぼれスタジアムでエルサルバドル代表(FIFAランキング71位)と親善試合を行い、2対0で勝利した。試合は前半19分にFW永井謙佑(FC東京)のゴールで先制。さらに41分にも永井のゴールで日本が追加点を奪った。後半にはMF久保建英(FC東京)が史上2番目の若さ(18歳5日)で代表デビューを果たした。トップ下の位置に入るとドリブルとスルーパスで観客を魅了した。

 

 久保、ドリブルとパスでアクセント(ひとめぼれスタジアム)

日本代表 2-0 エルサルバドル

【得点】

[日] 永井謙佑(19分、41分)

 

 日本は前節のトリニダード・トバゴ代表戦同様、3-4-2-1のシステムで臨んだ。ウイングバックは右にMF伊東純也(ゲンク)、左にMF原口元気(ハノーファー)と攻撃的な選手を起用した。ワントップには俊足の永井が入った。

 

 この日の日本は前節のトリニダード・トバゴ戦の反省を生かし、両ウイングバックが高い位置にポジションを取った。これによりツーシャドーでスタメン出場したMF南野拓実(ザルツブルク)とMF堂安律(フローニンゲン)、最前線の永井の距離が近くなった。その成果もあり、連係がスムーズだった。

 

 19分には永井の俊足が生きる。スリーバックの右をつとめるDF冨安健洋(シントトロイデン)が前を向いてボールを持つと、ペナルティーエリア右の深い位置にスルーパスを送る。これに永井が追いつき、鋭い切り返しで相手DF2人を置き去りにした。自分でシュート角度をつくった永井は左足でニアサイドを射抜き、日本が先制。永井は4年ぶりのA代表招集で初ゴールを記録した。

 

 41分にも永井が結果を残す。左サイドの深い位置から原口がスライディングでペナルティーエリア内にボールを折り返す。これに永井が左足で合わせるとシュートは左ポストを叩きゴールに吸い込まれた。サイドの深い位置までボールを運び難なくフィニッシュに結びつけた理想的なかたちだった。

 

 後半に入ると、18歳の出場の期待が高まる。久保がアップゾーンからベンチに呼ばれるとスタジアムがどよめいた。満を持して21分、久保がA代表のピッチ立った。

 

 28分、トップ下に入った久保は右サイドに流れてFW大迫勇也(ブレーメン)のスルーパスに反応。相手DF2人の間をカットインで切り裂くと得意の左足を振り抜く。シュートは惜しくもGKに阻まれた。34分、日本はペナルティーエリア外の右サイドでFKを得る。相手が油断している隙を突きMF小林祐希(ヘーレンフェーン)が素早くリスタートを仕掛け、ペナルティーエリア内右にショートパスを送る。これに追いついた久保が中へ折り返す。大迫が飛び込んだが、ボールはGKに阻まれた。

 

 37分には後半途中からシステムを変え、4バックの左に入ったDF山中亮輔(浦和レッズ)がアーリークロスを入れる。このボールを事前に要求していた久保が相手DFの裏に抜け出すがわずかにボールには届かなかった。

 

 途中からピッチに立った18歳は明らかに攻撃陣の中心としてチャンスメークをしていた。東京五輪世代が中心となり出場するコパアメリカ。厳しい南米のサッカーに揉まれながらも逞しく相手守備陣を切り裂く久保の姿が見たいものだ。

 

(文/大木雄貴)