「マイナビオールスターゲーム2019」第2戦が13日、甲子園で行われた。初回、全セがトップバッター近本光司(阪神)の先制ホームランで先制すると、その後、近本は5打数5安打、オールスター史上2人目のサイクルヒットを達成するなど大当たり。また原口文仁(阪神)の2試合連続、続く梅野隆太郎(阪神)の連続アーチで着々と加点。終盤はピアーズ・ジョンソン(阪神)、藤川球児(阪神)が全パ打線を0点に抑え、11対3で全セが勝利した。試合前に行われたホームランダービーは鈴木誠也(広島)が優勝した。

 

◇第2戦
全セのオールスター連敗は5でストップ(甲子園)
全パ   3 = 003|002|002
全セ   11 = 261|100|10×
(パ) ●山岡-高橋光-美馬-二木-平井-高橋礼-増田
(セ) ○菅野-柳-青柳-床田-ジョンソン-藤川
本塁打 (パ)吉田正1号2ラン
    (セ)近本ソロ、原口ソロ、梅野ソロ、筒香3ラン、鈴木ソロ

 

 先発は全セが菅野智之(巨人)、全パが山岡泰輔(オリックス)。菅野が初回、2死から吉田正尚(オリックス)にヒットを打たれたものの、続く山川穂高(埼玉西武)を打ち取り、無得点。その裏、全セ一番の近本がレフトスタンドに先制ホームラン。ルーキーによる先頭打者ホームランはオールスター史上初の快挙だ。


 全セは続く高橋周平(中日)、山田哲人(東京ヤクルト)が連打で出塁。鈴木のショートゴロの間に追加点を奪い、2対0とリードを奪った。

 

 2回、全パのピッチャーは高橋光成(埼玉西武)に交代。1死のあと前日、代打ホームランを放った指名打者・原口が2夜連続のソロホームラン。梅野隆太郎(阪神)も続けてレフトスタンドに放り込み、全セが4対0。この回、7本の長短打で6点を入れた全セが8対0とリードを広げた。

 

 3回、全パが源田壮亮(埼玉西武)のツーベースから西川遥輝(北海道日本ハム)のタイムリーで1点を返し、1対8。3番・吉田正がライトスタンドへ2ランを運び、3対8に詰め寄った。その裏、近本がこの日3本目となるヒットで猛打賞を達成。高橋がタイムリーツーベースで近本を迎え入れ1点。4回には鈴木にも一発が飛び出し、4回を終えて10対3と全セが試合を有利に進めた。

 

 途中、雨が激しくなる中、観客の興味は近本のサイクル安打達成に絞られた。5回までに4安打、あとはスリーベースが出れば快挙達成の近本に、7回2死から5回目の打席が回ってきた。

 

 全パの外野陣は前進守備。「あれを見て、球を上げなきゃな、と」プレッシャーを感じた近本だったが、全パ6番手・高橋礼(福岡ソフトバンク)のストレートを逆らわずにレフト方向へ。打球は秋山翔吾(埼玉西武)の頭を越えてフェンスまで。中継の源田からサード松田宣浩(福岡ソフトバンク)にボールが渡ったが、「送球がワンバウンド。ぬかるんでいて捕れなかった」(松田)、近本が滑り込みセーフ。27年ぶり、オールスターゲーム史上2人目のサイクルヒットが達成された。

 

 8回、全セのマウンドにはジョンソンが上がり、秋山を三振、鈴木大地(千葉ロッテ)をライトフライ、松田を一塁ファウルフライに打ち取った。その後、全セが1点を追加して11対3、8点リードの場面で、最終回のマウンドに藤川が上がった。

 

 藤川は7年ぶりの球宴マウンド。雨で足元のぬかるむ中、銀次(東北楽天)、甲斐拓也(福岡ソフトバンク)を打ち取り、最後の森友哉(埼玉西武)もレフトフライ。この日、5安打のヒーロー近本がウイニングボールをがっちり掴んでゲームセット。全セが3年ぶり、オールスター勝利を飾った。

 

 サイクルヒット達成など大活躍でMVPに選ばれた近本は「親孝行ができました」と笑顔で語った。敢闘選手賞は筒香嘉智(DeNA)、高橋(中日)、吉田正(オリックス)。全セの勝利で全パの球宴連勝は5でストップ。通算成績は全セの79勝85敗11分けとなった。夢の球宴が終了し、ペナントレースは15日(月)に再開される。

 

(文/SC編集部・西崎)