16日、Jリーグは2014年8月度の各アワードを発表した。J1ベストゴールには鹿島アントラーズのDF西大伍が第18節サンフレッチェ広島戦で決めたゴールが選出された。月間MVPはJ1が鹿島のDF柴崎岳(初)、J2は横浜FCのMF松下年宏(初)が受賞した。月間ベストゴールはファン・サポーターによる一般投票と、スポーツ・サッカーメディア関係者からの推薦によりノミネートものより選考委員会が最優秀ゴールを決定。月間MVPは各月のリーグ戦(J1、J2)において最も活躍した選手を、サッカー専門メディアとリーグ選考委員会が選考する。
 鹿島は8月を5戦4勝1分けの好成績で終え、現在、4位につけている。夏場の試合で大きく勝ち越すことに貢献したのが、ボランチの柴崎だ。8月の5試合にフル出場し、2得点を挙げるなど、文字通りチームを牽引した。受賞を受けて柴崎は「大変光栄に思う」とコメントした。

 Jリーグ選考委員会は次のような柴崎への総評を発表した。
<第22節のF東京戦ではゲームキャプテンを担うなど、チームの根幹を成している。パスの出し手として攻撃の起点になるだけでなく、すばやい切り替えで速攻性を生み出すなど、質の高いプレーが光る。
特に第19節の名古屋戦では攻め上がった西選手に素早くサイドチェンジのパスを出し、土壇場での逆転弾を生み出したほか、第20節の甲府戦では試合開始早々に豪快なミドルシュートを決めた。
好調を維持する鹿島アントラーズの成績は、柴崎選手のパフォーマンスが直結していることがうかがえる。>
(データ提供:データスタジアム(株))

 リーグでハイパフォーマンスを見せた柴崎は、ハビエル・アギーレ監督が就任した新生日本代表にも選出された。初戦のウルグアイ戦こそ出番がなかったものの、続くベネズエラ戦に先発を果たすと1ゴールを決めて大きなインパクトを残した。今後、柴崎にはクラブのみならず、代表でも中心選手としての活躍が期待される。本人は「責任」という言葉を用いて、こう意欲を語った。
「クラブに対する責任と日本代表としての責任は違うが、クラブと代表は別々に捉えている。クラブに籍を置いているのでクラブのために戦いたいという気持ちは持ちつつ代表チームに加わることがあれば国を代表する気持ちを大事に戦いたいと思っている。どちらもしっかりと責任を持ってプレーしたい」

 Jリーガー、そして日の丸を背負う選手として――。それぞれで担う責任を柴崎はこれからもピッチで果たしていく。

(文・鈴木友多)