13日、女子サッカーの国際親善試合が山形・NDスタジアムで行われ、女子日本代表(なでしこジャパン)がガーナ代表を5−0で下した。なでしこは前半1分、FW高瀬愛実のゴールで先制すると、11分にMF阪口夢穂、18分に再び高瀬が決めてリードを広げた。さらに30分にDF長船加奈、38分にはMF中島依美のゴールでガーナを突き放した。後半はゴールを奪えなかったものの、15日に始まるアジア大会に向けて弾みをつけた。

 高瀬、開始18秒の電光石火弾(NDスタ)
女子日本代表 5−0 女子ガーナ代表
【得点】
[日本] 高瀬愛実(1分、18分)、阪口夢穂(11分)、長船加奈(30分)、中島依美(38分)
 前半で試合を決めた。日本は高瀬の開始早々弾を皮切りに前半で一挙5得点。ただ、主力がベンチに下がった後半は相手を攻めあぐね、レギュラーと控えとの実力差が浮き彫りになった。

 試合はいきなり動いた。開始18秒、MF宮間あやが最終ラインの裏へ送ったロングフィード。抜け出した高瀬が飛び出てきたGKよりも先にボールに触ってゴールへ流し込んだ。日本は試合が始まった瞬間からゴールを強く意識していた。

 さらに11分、阪口が追加点を奪った。宮間とのパス交換で前線に攻め上がり、GKと1対1の状況で、阪口は浮き球のシュート。ボールは鮮やかにゴールに吸い込まれた。18分には右サイドを駆け上がったMF川澄奈穂美のクロスに、高瀬が右足で合わせた。
 
 なでしこの勢いは止まらない。30分、左CKをクリアされたものの中島が拾ってDF北原佳奈へクロス。北原が落としたボールを長船がゴール左へ突き刺した。さらに38分には、中島が右サイドでパスを受けてから中央へ切れ込み、左足でミドルシュート。これがGKの脇を抜いてゴールネットを揺らした。

 大量リードを奪って迎えた後半、なでしこは一挙に5人を入れ替えた。阪口からMF猶本光、高瀬からFW吉良知夏という次代のなでしこを背負う選手たちがピッチに入った。彼女たちにとってはアジア大会前最後の実戦でのアピールの場。ゴールやアシストなどの結果を出して、レギュラー陣を脅かしたいところだった。

 後半11分、猶本からのスルーパスを受けた吉良がPA内でシュートを狙ったが、GKと交錯し、ゴールを奪うには至らなかった。
 その後もボールは支配するものの運動量が落ち、効果的なかたちをつくりだすことができなかった。
 
「いい部分もあったが、アジア大会に向けてはまだまだだと思う。(来年の)W杯に向けてもまだまだ未熟なので、もう一度作り直していきたい」
 大勝にも主将・宮間の口調は厳しかった。アジア大会は17日間で最大6試合を戦う。過密日程の大会を勝ち上がるには控えも含めたチームの総力が問われる。主力はガーナ戦で得た手応えをより確実なものに、控えは直面した課題をいかに修正できるか。宮間の言うように、世界を制するためには更なるレベルアップが求められる。