メジャーリーグのワールドシリーズは27日、第5戦が行われ、サンフランシスコ・ジャイアンツがカンザスシティ・ロイヤルズに5−0で勝ち、3勝2敗として2年ぶりのシリーズ制覇に王手をかけた。ジャイアンツは2回、内野ゴロの間に先制点をあげると、4回にはブランドン・クロフォードのタイムリーで1点を追加。8回にはフアン・ペレスの二塁打などでリードを広げてダメを押した。投げては左腕のマディソン・バムガーナーが相手打線を4安打完封した。ロイヤルズの青木宣親は3試合連続でスタメン落ち。8回からライトの守備についたが、打席は巡ってこなかった。
 ワールドシリーズでの完封は11年ぶり(ジャイアンツ3勝2敗、AT&Tパーク)
カンザスシティ・ロイヤルズ   0 = 000000000
サンフランシスコ・ジャイアンツ 5 = 01010003×
勝利投手 バムガーナー(2勝0敗)
敗戦投手 シールズ(0勝2敗)

 大舞台に強い左腕が、またも大きな仕事をやってのけた。
 バムガーナーはメジャーデビュー6年目ながら、これが3度目のシリーズ出場。2010年では第4戦に先発して8回無失点、12年は第2戦に先発して7回無失点で、いずれも勝ち投手になっている。

 今年は第1戦に先発し、7回を1失点。シリーズでの連続無失点記録こそ21イニングで途切れたものの、チームに勝利をもたらせた。それから中4日、勝った方が王手をかける重要な一戦でも再びサウスポーが圧巻のピッチングをみせた。

 2回には先頭打者にヒットで出塁を許したものの、後続を3者連続三振。スリークォーターから投げ込まれる速球とスライダー、カーブのコンビネーションに、ロイヤルズ打線は連打が出ない。5回にはオマー・インファンテに、この試合初めての長打を許したが、下位打線を連続三振に仕留め、スコアボードに0を並べていく。

 好投を続けるバムガーナーを打線も援護。相手のエース右腕ジェームス・シールズから2回に先制点を奪うと、4回には中押し点をあげる。バムガーナーは中盤以降も全く危なげない内容でロイヤルズに得点を与えない。

 すると8回、ジャイアンツはロイヤルズが必死に繰り出した勝ちパターンのリリーフ陣を攻略してダメを押す。2番手ケルビン・ヘレラから連打でチャンスメイクすると、代わったウェード・デービスからペレスがタイムリー二塁打。二者が一気に生還する。クロフォードもヒットで続いて、この回3点。勝敗を完全に決定づけた。

 バムガーナーは最終回のマウンドにも上がり、上位打線を簡単に三者凡退に抑える。シリーズでは03年の第6戦でジョシュ・ベケット(当時フロリダ・マーリンズ)以来となる完封勝利を達成した。

 ロイヤルズは29年ぶりの世界一へ後がなくなった。ただ、移動日を挟んで残り2戦は本拠地で試合ができる。ホームの大声援を味方に流れを呼び戻したい。