サッカー日本代表(FIFAランキング28位)は19日、パナソニックスタジアム吹田でベネズエラ代表(同26位)と親善試合を行い、1対4で敗れた。試合は前半だけでベネズエラのFWサロモン・ロンドンにハットトリックを含む、計4点を失った。日本代表は後半の途中から出場したMF山口蛍(ヴィッセル神戸)のミドルシュートで1点を返すにとどまった。

 

 初招集は一人しかテストできず大敗(吹田)

日本代表 1-4 ベネズエラ代表

【得点】

[ベ] サロモン・ロンドン(8分、30分、33分)、ジェフェルソン・ソテルド(38分)

[日] 山口蛍(69分)

 

 14日にアウェーで行われたW杯アジア二次予選から登録メンバーを9名入れ替えた。そのうち初招集はDF進藤亮佑(北海道コンサドーレ札幌)、DF荒木隼人(サンフレッチェ広島)、MF古橋享梧(ヴィッセル神戸)、FWオナイウ阿道(大分トリニータ)が初選出。日本代表の森保一監督は「代表の層を厚くする」ことがこの一戦の目的だと語っていた。

 

 しかし、試合展開は厳しいものとなった。

 

 前半8分、日本の右サイドからクロスを入れられると、ファーサイドにいたロンドンにDF佐々木翔(サンフレッチェ広島)の頭ひとつ上から、ヘッドで叩き込まれ日本は先制を許した。

 

 30分にはロンドンにペナルティーエリア中央から日本の左サイドに展開される。MFダルウィン・マチスがトラップし、低く速いボールをニアへ。このクロスにロンドンが滑り込みながら反応し、ゴールネットを揺らされた。

 

 その3分後にも日本の右サイドからクロスを入れられる。ファーサイドのMFジャンヘル・エレラがヘッドで折り返すと、中央で待ち構えていたロンドンに右足アウトサイドで押し込まれた。日本は30分足らずでロンドンにハットトリックを達成された。この3ゴールは全てサイドからのクロスだった。まるで、お手本のようなかたちで失点を重ねた日本。試合中に修正ができなかったのが悔やまれた。

 

 その後、38分にソテルドに4点目を奪われ試合を折り返す。森保監督は後半開始とともにDFラインのテコ入れで先発したセンターバックの植田直通(セルクル・ブルージュ)に代えDF三浦弦太を、そして攻撃的なポジション変更では初招集のMF古橋享梧(ヴィッセル神戸)をFW鈴木武蔵(北海道コンサドーレ札幌)に代えてピッチに送り出した。

 

 4点も点差が開けば、相手はプレーの強度を落としてくるのは当然と言えば当然。先発したMF中島翔哉(ポルト)がドリブルでテクニックを披露しても得点に繋がらないのであれば評価し難い展開となった。日本は途中出場を果たした山口が24分にミドルシュートを決めるものの、反撃もここまで。初招集した選手でピッチに立ったのは古橋ひとりだけ。選手層を厚くするには程遠い結果と内容となってしまった。

 

(文/大木雄貴)