皆様、2020年最初の更新となります。前回コラムでお伝えしたように、今季から社会人野球のセガサミーで監督を務めることになりました。このコラムも社会人編ということで、香川オリーブガイナーズ時代とはまた違った話をお伝えできると思っています。よろしくお願します。

 

 重要な"初仕事"

 さて、セガサミー野球部は1月7日に自主トレがスタートし、選手は日々、練習に取り組んでいます。私の新監督として初仕事は選手の顔と名前を覚えることでしたが、チーム全員分、頭に叩き込みました。戦力の把握を含め、サインプレーなど具体的なチームづくりは、これから佐藤俊和ヘッドコーチを筆頭にコーチ陣と話し合いながら進めていきます。

 

 セガサミーは施設が充実していることもあり、選手たちは恵まれた環境でそれぞれ練習メニューを消化しています。投手陣は故障明けの選手を除き、すでにブルペンに入りキャッチャーを座らせて投球し、打者も思い切りバットを振り込んでいる。チーム全体、キャンプインに向け、順調です。この恵まれた環境の中、選手たちは地に足をつけて野球をやっていくことが大事ですね。

 

 監督としては個々の力を把握し、そのためにコミュニケーションをとりながらやっています。社会人野球は企業スポーツであり、その中でNPBを目指す選手もいます。外野手の本間諒は今年28歳になりますがNPB入りを諦めておらず、顔を合わせるなり「監督、お願いします!」と挨拶してくれて、熱意を感じました。なんか、ギラギラしていていいな、と。他にも投手の森井絃斗、飯田大翔、外野手の市根井隆成など良い選手がたくさんいます。彼らを見にスカウトも大勢、来ていますね。顔を合わせるスカウトの方々の顔ぶれもこれまでの四国担当から関東担当へガラリと変わりました。ぜひウチの選手の良いところを見てほしいと思っています。

 

 社会人野球の選手は高校、大学とアマチュア時代から実績のある選手が多く、野球選手としてまとまっている印象です。荒削りでいろいろなタイプがいた独立リーグとはその点が異なっています。まあ独立リーグでも社会人でも活躍する選手というのは、何か秀でたものを持っているものです。そうした特Aの武器というのは試合になってから出てくることでしょう。それも楽しみです。

 

 投手陣はサウスポーが充実していて、それぞれフォーム、決め球に個性があってバラエティに富んでいます。彼らも試合でどういうピッチングを見せてくれるか、考えるとわくわくしますね。

 

 キャンプの後のオープン戦で全員にチャンスを与え戦力の見極めを行い、チームとしてレベルアップして新しいシーズンを迎えたいと思っています。目標は社会人野球日本選手権と都市対抗、最低限でもこの二大大会へ出場すること。さらにそこでの活躍です。新監督としてコーチ、選手らと話し、そして連盟会議などにも出席し、日々刺激があって楽しいことばかりです。社会人野球はトーナメントの重圧などもありますが、せっかく監督を任せられたんですから最初からネガティブなことを考えていてはつまらない。明るく、楽しく、あくまで前向きにいきたいですね。

 

 社会人野球の世界に入って改めて思うことは、選手は野球人である以前に社会人であることが大事だな、と。当然、会社の代表として戦う野球も大事ですが、その中で社業に務め、社会人としての常識やスキルを身につける。さらにCSR、社会貢献活動なども必須です。セガサミー野球部の活動を通じて、選手たちには人間としても成長していってほしいですね。まあ、それは私も含めてということになりますけどね(笑)。

 

 先日は後輩の小早川毅彦(PL学園-法政大-広島など)らが会食の場を設けてくれました。旧友たちと昔話に花が咲き、とても楽しい時間を過ごすことができました。また金田正一さんのお別れの会にも出席し、そこでPLの同級生で金田さんの甥・金石昭人とも久しぶりに顔を合わせました。拠点が香川から東京に移ったことで、こうした旧知の人たちとこれまで以上に会う機会が増えそうです。野球以外にもそんな話を社会人編ではお伝えできるんじゃないでしょうか。

 

 セガサミー野球部は4月にJABA四国大会に出場します。新監督として久しぶりに四国の地を踏むわけですが、アイランドリーグ時代と変わらない応援をいただけたら心強いですね。機会があれば是非、球場へ足を運んでみてください。

 

<このコーナーは毎月1日更新です>


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