セガサミー野球部は先日、無事に春季キャンプを打ち上げました。私も監督1年目のスタートを無事に切れて、一息ついているところです。宮崎市で行ったキャンプは球場など施設も環境も素晴らしく、数日は雨に見舞われましたが全体を通して見れば順調に練習ができました。宿舎は福岡ソフトバンクの2軍・3軍と一緒で、香川時代に戦っていた選手たちとの再会もありました。キャンプを終え戦力の把握もできたので、これからベストメンバーを絞り込んでいくことになります。

 

 投手力を中心にして

 キャンプ中は広島、パナソニック、日本経済大、福岡工業大、國學院大とオープン戦を行いました。投手はイニング数を定めた投球で見極めの段階ですが、新人の横山楓、久保田敦希の2人がケガで調整が遅れている分、若い森絃斗、飯田大翔、草海光貴らに期待しています。この3人は能力も高いので先発の軸になってほしいですね。

 

 野手では本間諒、根岸晃太郎、市根井隆成らを中心に計算できる選手が揃っています。あと北川智也という選手は小柄ながらガッツがあって、パンチ力のあるバッティングが魅力です。オープン戦でもホームランを打っているので楽しみですね。他に砂川哲平、近畿大から入った新人の中川智裕などがいます。打つことに関しては心配していませんが、この後、エンドランやバントなど小技を絡めたときにそれをどうこなせるかもポイントになってくるでしょう。

 

 セガサミー野球部はこれまで投手では浦野博司(北海道日本ハム)、森脇亮介(埼玉西武)ら、野手では宮﨑敏郎(横浜DeNA)らを輩出しています。所属する選手の違いによって年代ごとに野球のタイプは異なりますが、基本的に先発投手を軸とした守りが大事ということに変わりはありません。今季は3枚のサウスポーがいることを強みにして戦っていきたいですね。

 

 3月末に春季企業大会があり初戦は東京ガスと戦います。また4月にはJABA四国大会があります。それに向け3月は明治、法政の六大学や東都大学とのオープン戦も実施する予定です。そこでベストメンバーを見極めていくことになりますが、1年目の指揮官である私とチームが「阿吽の呼吸」で戦えるようにコミュニケーションを含め、チームを強固にしていきたいですね。

 

 社会人野球というのは大学出たてのルーキーもいれば、社会人として何年もやっている中堅選手もいます。都市対抗出場経験のある選手にはその経験をいかし、若い選手たちに良い影響を与え、チームに勢いを出してもらいたい。選手に望むことは特にはありませんが、何よりも自己管理をしっかりして社会人、そして野球人として過ごすこと。今年は新型コロナウイルスの流行などもありますから、自己管理というのは例年以上に大切になってくるでしょう。

 

 六大学など大学生チームとの対戦では、監督の私にはもうひとつ役目があります。アマチュア関係者に知り合いも多いので、チーム強化のためのスカウティング、リクルーティングが求められるでしょう。プロ入り確実という逸材の大学生を「西田のセガサミーなら預けてみようか」と思ってもらえる、そのためには良いゲームをすることが必要ですね。当然、2大目標である都市対抗、日本選手権で結果を出していかなければなりません。

 

 さて、最後に山本浩二さんの話をしておきましょう。

 

 皆さんご存知のとおり、浩二さんは昨年、膀胱がんなどの手術を受けました。今は体調も回復されて宮崎にキャンプ取材にいらしてましたが、時間が合わずにお目にかかれませんでしたが、電話で話をしました。そこで先輩を励ますつもりでしたが、反対に「西田、頑張れよ!」と力強い言葉をいただきました。法政の大先輩であり恩師のためにもしっかりやらなきゃいけないな、と気持ちを新たにしました。

 

 セガサミーに来て2カ月ですが、本当に野球部は良い環境で活動させてもらっています。会社に感謝しながら、それに報いられるように。あと古巣である香川オリーブガイナーズのことも気になります。球春到来、皆さん変わらぬ応援をよろしくお願いします。

 

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