31日、リオデジャネイロ五輪アジア1次予選を兼ねた「AFC U-23選手権予選」がマレーシアで行われ、I組のU-22日本代表が同マレーシア代表を1−0で下した。日本は勝ち点9で同組1位となり、リオ五輪アジア最終予選を兼ねた「AFC U-23選手権」(来年1月、カタール)の進出を決めた。最終予選には開催国カタールの計16チームが出場し、上位3チームが五輪の出場権を得る。

 3試合連続完封も課題残る(マレーシア・シャーアラム)
U-22日本代表 1−0 U-22マレーシア代表
【得点】
[日本] 久保裕也(41分)
「まだまだ成長しなければいけない部分はそれぞれ戦って理解したと思う。もっともっとレベル上げていってもらいたい」。手倉森誠監督の試合後のインタビューが全てを物語っていた。

 各組1位と2位の成績上位5チームが次のステージへと進める今予選。日本はマカオに7得点の大勝で好スタートを切った。中1日を空けて臨んだベトナム戦は2−0の辛勝だった。

 2連勝でトップに立ち、引き分けでも日本の1位通過が決まる最終戦。ホームのマレーシアと対戦した。日本は2日前のスタメンからDF植田直通(鹿島)、MF遠藤航(湘南)、大島僚太(川崎F)、FW久保裕也(ヤングボーイズ)以外の7人を入れ替えた。しかし、引いて守るマレーシアを相手になかなか得点を奪えない。

 苦境を救ったのは久保だ。前半41分、左からサイドバックの安在和樹(東京V)がアーリークロスを送る。「良いボールを上げてくれたので、合わせるだけでした」と、ゴール前で待っていた久保はヘディングでゴール左に叩き込んだ。スイスでプレーするメンバーで、3試合中2試合の出場という条件付きでの参加の久保が貴重な先制点をもたらした。

 1点のリードを奪った日本は、ここから畳み掛けたかったが、追加点はなかなか生まれない。終始ボールを支配しながら、スコアは1−0のままで終了。この結果、3連勝でトップ通過を決めた。

 予選突破という最低限のノルマをクリアしたものの、攻守両面で課題が残った。守備の要の植田は「この結果には誰も満足していない。この相手に危ないシーンを作っているようでは、もっと上にはいけない」と厳しい口調で言った。3試合を無失点で凌いだものの、ヒヤリとする場面も少なくなかった。5日間で3試合とタフなスケジュールとはいえ、まだ1次予選に過ぎない。圧倒的な力を見せつけて勝ち上がりたかった。ただひとり3試合にスタメン出場したキャプテンの遠藤は「ここからが勝負」と気を引き締めた。

 最終予選まで、残り1年もない。1次予選以上の強敵がカタールで待っている。五輪への切符は16チーム中3チームしか掴めない。個の力も組織力も、レベルアップが急務である。