Jリーグは25日、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、3月15日までの全公式戦(94試合)の延期を発表した。対象試合はJ1第2~4節の27試合、J2第2~4節の33試合、J3第1~2節の18試合、Jリーグルヴァンカップグループリーグ第2~3節の16試合。24日に行われた政府専門家会議後の「これからの1~2週間が、急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際」との発表を受け、Jリーグの村井満チェアマンは公式戦延期の判断をくだした。3月18日から再開予定。

 

 24日夜、政府の新型コロナウイルス専門家会議後の発表を受け村井チェアマンは速やかに公式戦の延期を決断した。26日に開催予定だったルヴァンカップの延期を先に決めた。そして、Jリーグの理事会を経てリーグ戦の延期を決めた。村井チェアマンはこう会見で説明した。

 

「26日に控えるルヴァンカップから中断、日程を変更し、政府の発表した“1~2週間の取り組みが大事”ということに関し、サッカーは協力しようと決めました」

 

 理事会での意見交換前、チェアマン権限で26日のルヴァンカップ開催延期を決めた。

「極めてイレギュラーであり、緊急の意志決定ではありました。大会運営に関してはチェアマンが決定できるという一文があるので、理事会ではその決定の事後報告をさせていただく前提で、メディアの皆様には今日、リリースさせていただきました」

 

 今回はJリーグ規約第3節「試合の運営」第57条(3)、58条が適用された。以下Jリーグ規約を引用する。

<第3節試合の運営

第57条〔試合の日時または場所の変更〕

(1)公式試合の開催日、キックオフ時刻または開催地の変更は、次の手続きに従い決定する。

①ホームクラブがJリーグに対し、変更しようとする開催日の30日前までに「試合開催

に関する変更申請書」により申請する

②チェアマンは、変更の可否を判断し、変更される開催日の20日前までに、変更の可否

を、ホームクラブおよびビジタークラブの双方に通知する

(2)前項の手続きが行われない場合、ビジタークラブは、当該変更を拒否することができる。

(3)国際大会、スタジアムの大規模改修、大規模災害等のやむを得ない特別の事情がある場合において、チェアマンは、前2項の定めにかかわらず、開催の日時または場所を変更

することができる。

第58条〔特別の事情による変更〕

Jクラブは、協会またはJリーグにおいて、国際大会、スタジアムの大規模改修、大規

模災害等の特別の事情がある場合には、日程等の変更に応じなければならない。>

 

 村井チェアマンは、ファン、サポーターに向けてこう謝罪した。

「すでに(26日のルヴァンカップに向けてアウェークラブが)選手の移動を始めている可能性があったことに加え、多くのファン、サポーターの皆様がアウェー観戦に向け、移動を始めていたと思われます。熱心なファンの皆様には大変申し訳ない思いがありました」

 

 3月18日から公式戦再開と謳っているものの、状況によっては延期の期間は伸びる可能性もあるという。国内主要プロスポーツ組織の中で、いち早く感染拡大防止のために動いたJリーグ。早期の事態収束を願うばかりだ。

 

(文/大木雄貴)