日本サッカー協会は21日、8月に行われるEAFF女子東アジアカップ2015に臨むなでしこジャパン(日本代表)メンバー23名を発表した。準優勝を収めたカナダW杯からは大幅に陣容を入れ替え、引き続き代表に選ばれたのはGK山根恵里奈、FW菅澤優衣香(ともにジェフユナイテッド市原・千葉レディース)ら、わずか6名。MF宮間あや(岡山湯郷)、GK海堀あゆみ(INAC神戸)、DF岩清水梓(日テレ)、岩渕真奈(バイエルン)などはメンバーから外れた。佐々木則夫監督は「次のリオデジャネイロ五輪でなでしこジャパンの代表として出るという強い気持ちで臨んでほしい。その可能性のある選手をエントリーした」と若手中心の編成に期待を寄せた。
(写真:「W杯に連れて行った選手がどれだけまとめられるか、新しく加わった選手がどれだけまとまろうとするか」をポイントに挙げる佐々木監督)
「チャレンジなでしこ」
 日本中が沸いたW杯準優勝から約2週間、新しいなでしこを指揮官は、そう命名した。

「カナダW杯の準優勝モードは一切、切り替えて、次につなげていくことが重要」
 佐々木監督が選んだ選手たちは、30代のベテランが0人というフレッシュな顔ぶれ。19歳のGK山下杏也加(日テレ)ら4選手が初めて代表に招集された。

 北朝鮮(8月1日)、韓国(4日)、中国(8日)の順で対戦する東アジア杯は、なでしこにとって来年の五輪予選の前哨戦だ。五輪切符を手にし、金メダルを目指す上で求められるのは、チームの底上げである。佐々木監督は「これまでの戦いで招集した選手には、ベースを伝授してもらう」と、攻守にアクションするなでしこスタイルを継承しつつ、新戦力の台頭を望んでいる。

「この選手たちが、大会で自信をつけてくれれば、今度のリオの五輪予選でも、大きな層になでしこジャパンがなっていく」
 指揮官は、今回のメンバーからリオ五輪に向けて、「最低でも3分の1は関わってもらいたい」と理想を口にした。

「チャレンジするにはいいタイミング。この先につながると確信している。若いから、メンバーを変えたから、結果が出なかったというのは理由にならない」
 勝利と育成――。両方のミッションを掲げ、新生なでしこが始動する。

【なでしこジャパンメンバー】

GK
山根恵里奈(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)◎
武仲麗依(ベガルタ仙台レディース)※
山下杏也加(日テレ)※

DF
田中明日菜(INAC神戸)◎
北原佳奈(アルビレックス新潟レディース)◎
薊理絵(ASエルフェン埼玉)
高畑志帆(浦和レッズレディース)
高良亮子(ベガルタ仙台レディース)
小原由梨愛(アルビレックス新潟レディース)
村松智子(日テレ)

MF
上尾野辺めぐみ(アルビレックス新潟レディース)◎
上辻佑実(日テレ)
川村優理(ベガルタ仙台レディース)◎
杉田亜未(伊賀フットボールクラブくノ一)
柴田華絵(浦和レッズレディース)※
横山久美(AC長野パルセイロ・レディース)
京川舞(INAC神戸)
猶本光(浦和レッズレディース)
増矢理花(INAC神戸)

FW
有町紗央里(ベガルタ仙台レディース)
菅澤優衣香(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)◎
高瀬愛実(INAC神戸)
田中美南(日テレ)

◎はW杯メンバー
※は初招集