EAFF女子東アジアカップが1日、中国・武漢で開幕し、なでしこジャパン(日本女子代表、FIFAランキング4位)が、北朝鮮女子代表(同8位)と対戦した。若手主体のなでしこは前半36分に先制を許し、1点ビハインドで試合を折り返す。しかし、後半4分、最年少19歳の増矢理花が同点ゴール。再び勝ち越されたものの、25分にMF杉田亜未の豪快なミドルシュートで2−2のタイスコアに追いつく。だが、終盤に守りが我慢できず、立て続けに2点を失って敗れた。

 カウンター攻撃に対応しきれず(武漢)
日本女子代表 2−4 北朝鮮女子代表
【得点】
[日本] 増矢理花(59分)、杉田亜未(70分)
[北朝鮮] リ・イェキョン(35分、64分)、ラ・オンシム(78分、80分)
 W杯準優勝から1カ月。「チャレンジなでしこ」と位置づけ、大幅にメンバーを入れ替えて臨んだ大会は黒星スタートとなった。

 最初に大きなチャンスを迎えたのはなでしこだ。8分、FW有町紗央里が中央での競り合いからボールをPA内に持ち込む。左サイドから駆け込んだ杉田がスライディングしながらシュートを放つが、相手GKの正面を突いた。

 ところが22分、その杉田がパスミスでボールを失い、北朝鮮の縦に素早い攻撃を受ける。対応しきれず、PA内でDF京川舞が相手を倒してしまい、判定はPK。絶体絶命のピンチを迎える。
 
 キッカーはMFキム・オンジュ。ゴール右へのキックを長身GK山根恵里奈が身を呈して防ぎ、先制点を許さない。窮地を脱したなでしこだが、相手のカウンター攻撃に苦しめられた。

 そして36分、PA左外でFKを与えると、低いボールにマークがつき切れない。MFリ・イェキョンに押しこまれ、なでしこは先制を許した。

 早く追いつきたいなでしこは42分、DF高良亮子の左サイドからのクロスに有町が飛び込んで頭を合わせる。これは相手GKが横っ飛びで制し、ゴールを割れない。このまま、前半は1点ビハインドで終了する。

 試合を振り出しに戻したのは後半の立ち上がりだ。4分、右サイドでFKを得ると、MF上尾野辺めぐみのキックを、増矢がフリーで受け、胸でトラップして右足を振り抜く。ボールがネットに突き刺さり、1−1の同点に追いついた。

 気温30度を超える環境で、一進一退の攻防が続く中、次に試合が動いたのは後半20分。再びカウンター攻撃を浴びたなでしこは、DFラインの裏をとられる。中央へ走りこんだリ・イェキョンにラストパスが渡り、ゴール左に沈められた。

 またも1点を追うかたちになったなでしこだが、5分後、スーパーゴールが生まれる。クロスボールのこぼれ球に、左サイドから出てきた杉田がPA外から直接ゴールを狙う。強烈な一撃はゴール右上にズドン。鮮やかな同点弾でスコアは2−2となった。

 これで流れはなでしこかと思われたが、北朝鮮は速攻でゴールを脅かし、主導権を与えない。34分にはアーリークロスから、ラ・オンシムにゴール前へ持ちこまれ、シュートを決められる。さらに3分後、クリアボールを奪われて、再びラ・オンシムに右足を振り抜かれ、痛い4失点目を喫した。

 なでしこは後半ロスタイム、途中出場のMF横山久美がドリブルで切り込み、シュートを放つも、ボールは枠の右に逸れる。2度追いつく粘りをみせながら、最後は突き放され、若手中心のメンバーで白星をあげられなかった。

 佐々木則夫監督は「選手はイメージ通りやっていたところ、終盤につまらない点をやったのはもったいない。これがいい勉強になってくれれば」と試合を振り返った。次戦は4日に韓国女子代表と対戦する。