昨シーズン(2019シーズン)、高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグWESTに参戦して、激闘を繰り広げてきた愛媛FC U-18チーム。善戦はしたものの、残念ながら10チーム中10位という戦績のため、プリンスリーグ四国へと自動降格となってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 今季はプリンスリーグ四国を舞台に、気持ちを新たに再度、プレミアリーグ昇格へ向けて戦いをスタートさせたいところだった。

 

 しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、練習の再開や公式リーグ戦の開幕も大幅な遅延を余儀なくされることになってしまった。

 

 長期の活動自粛が続く中、練習が再開されたのは、5月末からだった。6月が過ぎる頃には、トレーニングマッチも再開され、8月には愛媛FC U-18 2ndチームの公式戦となるEリーグ(U-18愛媛県リーグ)もスタートした。

 

 そして9月に入り、ようやく「高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ2020四国」が開幕を迎えた(例年であれば、4月に開幕しているリーグ戦である)。ただし、新型コロナウイルス感染拡大防止対策のため、当面の間、無観客試合となることが、開幕直前に主催者側から発表された。

 

 試合会場で応援や観戦ができないことは、私たちサポーターとしては残念なことだ。だが、チームにとって、特に3年生の選手たちにとっては一刻も早く公式戦に出場してもらうことが大切なことだと理解している。我々はステイホームで応援する気持ちだけを、試合会場に送ることにした。

 

 愛媛FC U-18チームの開幕戦(第1節)は天候不良(落雷)のため延期となり、9月12日(土)に行われた第2節が、2020シーズンの初戦となった。

 

 対戦相手は高知中央高校。前半立ち上がり、DF堀川涼平選手がMF阪井暖選手のアシストから先制ゴールを奪取。前半30分には阪井選手が追加点を決める。その12分後にはDF金子風真選手がゴール。後半12分にはMF白石肇史選手のアシストから再び阪井選手が得点。更に後半27分、FW林恭佑選手がFW小嶋啓太選手のアシストからゴール。

 

 最終スコア5-0で愛媛FC U-18が快勝を収め、2020シーズン初戦を白星で飾った。

 

 延期となっていた第1節は、9月16日(水)に行われた。

 

 対戦相手は、今治東中等教育学校。年始に行われた第98回全国高等学校サッカー選手権大会にも出場し、勢いに乗っているチームである。前半29分に先制され、その後、追加点を奪われる。後半33分に途中出場の白石選手がゴールを決めるも追いつくことはできず、1-2で敗戦となった。

 

 9月19日(土)には第3節が行われ、今季からプリンスリーグ四国に昇格した高知高校と対戦した。前半はスコアレスのまま、後半に突入。後半の立ち上がり、相手MFに決められ先制を許してしまう。それでも、その失点の2分後、相手のオウンゴールを呼び込み同点に追いつく。更に直後の後半5分、白石選手のアシストからFW高野捺貴選手がゴールを決めて逆転。後半31分にも高野選手が追加点を決める。アディショナルタイムには、白石選手が駄目押しのゴールを決め、勝負あり。

 

 最終スコア4-1で愛媛FC U-18が逆転勝利をものにした。

 

 9月26日(土)に行われた第4節では、カマタマーレ讃岐U-18と対戦。相手に15本のシュートを打たれたが守備陣が耐え抜き、失点は許さなかった。しかしゴールは奪えず、0-0の引き分けに終わった。

 

 プリンスリーグ四国における、ここまで(第4節終了時点)の戦績は、2勝1敗1引き分けで勝ち点7。得失点差が+7で、リーグ戦(10チーム中)3位につけている。

 

 まだ開幕したばかりで、今後の展開は分からないが、まずまずのスタートを切ったのではないだろうか。

 

 プロサッカー選手を夢見て、地域のJクラブのアカデミーに入団し、目標に向かって情熱を注いできた現役高校生の選手たちにとっては、練習ができなかったり、公式戦や大会が延期されたりと不運にも新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、厳しく辛いシーズンとなってしまったのでは、と気の毒に感じてしまう。特に3年生は、現チームでの集大成という気持ちで、この1年間に賭けていた思いもあるだろうし、短期間で結果を残さなければならない現状は、とても酷な話だと思う。

 

 それでも、様々な制限の中、周りの方々の支援や努力によって、ようやく開幕を迎えることができた「プリンスリーグ四国」なのだから、感謝の気持ちを忘れず、チームの仲間たちと培ってきた3年間の全てを出し切って、シーズンの最後まで、悔いを残さず戦ってもらいたい。

 

<松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール>

1967年5月14日、愛媛県松山市出身。愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。

 


◎バックナンバーはこちらから