J1の川崎フロンターレが25日、ホームで行われた第29節・ガンバ大阪戦で、5対0で勝利し、2年ぶり3度目のJリーグ制覇を果たした。リーグ戦4試合を残しての優勝は34試合制となった2005年以降、最速の記録である。今節の勝利で勝ち点を75とし、J1最多勝ち点数の記録を更新した(これまでは15年サンフレッチェ広島、16年浦和レッズの同74が最多)。リーグ戦24勝目をあげ、最多勝利数を更新した。

 

 憲剛の引退に花を添える優勝(等々力)

川崎フロンターレ 5-0 ガンバ大阪

【得点】

[川] レアンドロ・ダミアン(22分)、家長昭博(45分、49分、73分)、齋藤学(90分)

 

 リーグ2位のガンバ大阪を寄せ付けることなく、大勝した川崎F。2年ぶり3度目のJリーグ優勝は記録尽くしとなった。

 

 前半22分、左サイドからDF登里享平が得意の左足で低く速いアーリークロスを供給。このボールをゴール前に走り込んだFWレアンドロ・ダミアンが滑り込みながら右足で合わせ、川崎Fが先制した。

 

 先制点により硬さがなくなった川崎F。リーグを代表するレフティーのFW家長昭博が実力を見せつける。まずは前半終了間際。右CKのキッカー・MF田中碧がゴール中央にクロスを入れると、ダミアンがヘッドで合わせる。このボールをゴール前ファーサイドに位置取る家長が左足で押し込んだ。川崎Fはハーフタイムに入る前にリードを2点に広げた。

 

 後半開始4分。大卒ルーキーのFW三笘薫が左サイドでボールを持ちドリブルを開始する。相手DF2人の間を割って入り、ペナルティーエリア内に侵入し、逆サイドの家長に丁寧なラストパスを送る。これを家長はワントラップ後、右足を振り抜きゴール左サイドに突き刺した。28分にも似たようなかたちを作る。左サイドのDFライン裏に抜け出した三笘がペナルティーエリア内にドリブルで入ると、またしても右サイドに待ち構える家長に丁寧なグラウンダーのパスを送る。これをレフティーは右足でダイレクトシュートを放つ。ボールはゴール右に吸い込まれ、家長は大一番の一戦でハットトリックを達成した。

 

 川崎Fは38分、貴重なゴールを決めたダミアンと家長に代え、FW小林悠、FW旗手怜央を、その3分後には三笘、MF大島僚太に代え、FW齋藤学、MF中村憲剛をピッチに投入する。大島から中村の左腕にキャプテンマークが引き継がれると会場から大きな拍手が送られた。

 

 川崎Fは攻撃の手を緩めない。後半終了間際。敵陣右サイドから小林が相手DFの裏に浮き球のパスを送る。このボールにペナルティーエリア内で追いついた旗手は胸トラップ後、右足を一閃。シュートは惜しくもGK東口順昭が伸ばした右足に阻まれるが左サイドからゴール前に走り込んだ齋藤が左足で押し込み、ゴールネットを難なく揺らした。後半からピッチに投入された3人で奪った技ありゴールだった。

 

 試合終了のホイッスルが鳴ると共に、今季限りで現役を退く中村のもとに多くの選手が駆け寄り、大きな輪ができた。川崎Fはこの勝利によりリーグ最速優勝、最多勝ち点数、最多勝利数の記録を更新した。記録尽くしのJ1優勝となった。

 

(文/大木雄貴)