サッカー第100回天皇杯の決勝戦・川崎フロンターレ(Jリーグ王者)対ガンバ大阪(Jリーグ2位)が国立競技場で行われ、川崎Fが1対0で勝利した。試合は後半10分、川崎FのFW三笘薫が先制点を決めた。この1点を守り切り、川崎Fは天皇杯を初めて制した。また、今シーズンで現役引退するMF中村憲剛の出場はなかった。

 

 川崎F、天皇杯初制覇!(国立)

川崎フロンターレ 1-0 ガンバ大阪

【得点】

[川] 三笘薫(55分)

 

 試合開始から川崎Fが多くの好機を作った。2分にMF田中碧、DF旗手怜央が立て続けにシュートを放つ。15分にはMF大島僚太のパスを受けたFWレアンドロ・ダミアンがペナルティーエリア左サイドから右足を振り抜くが、惜しくもGK東口順昭に阻まれた。その1分後には三笘が得意の左サイドから内に切れ込み、右足でグラウンダーのシュートを打つがゴール右に外れた。

 

 28分には再びダミアンにチャンスが訪れる。右サイドのスローインからペナルティーアーク付近のダミアンにボールが渡る。左足でゴールを狙うがG大阪の守護神にまたしても阻まれた。

 

 多くのチャンスを演出しながら、相手の守護神に阻まれた川崎F。それでもリーグ王者の指揮官・鬼木達は「焦れずにいこう」と選手を後半のピッチに送り出した。

 

 10分。ついに川崎Fが均衡を破った。敵陣中央でダミアンがボールを持ち、左サイドから中央に絞った三笘にパスを供給。三笘はツータッチでペナルティーエリア内に入ると相手GKの位置を見極め、冷静にゴール左隅に流し込んだ。

 

 33分にはMF家長昭博が左足で鋭いミドルシュートを放つがわずかにゴール左にそれた。その川崎Fは徐々にG大阪のパワープレーに苦戦する。G大阪のFWパトリックにロングボールを集められるが、川崎F守備陣が何とか体を張りゴールを死守し、タイムアップ。川崎Fが天皇杯を初制覇した。

 

 試合後、貴重な先制点を決めた三笘はこう語った。

「ダミアンが良いパスくれて、ゴール前で冷静になれたと思います。前半から仕留められるチャンスはあったが、焦れずにやれた。ゴールで貢献できてよかった。来季もたくさんのタイトルを獲りたいと思います」

 

 またこの試合で現役を退く中村について訊かれると「憲剛さんあってのフロンターレ。背中を負い続けていた。一緒にプレーできて良かった」と語った。

 

 100回大会となる記念すべき今年度の天皇杯は見所が多かった。

 

 2020年シーズンは川崎Fが主役だった。4節を残してのリーグ優勝は最速記録。またリーグ史上最多勝ち点数(勝ち点83)、J1同一シーズン連勝記録(12連勝)も塗り替えた川崎Fがスコア以上に実力を見せつけ、幕を閉じた。

 

(文/大木雄貴)