第99回全国高校サッカー選手権大会の決勝戦、山梨学院高校対青森山田高校の一戦が11日、埼玉スタジアムで行われ、山梨学院がPK戦の末、11大会ぶり2度目の選手権制覇を成し遂げた。試合は前半12分にMF広澤灯喜の得点で山梨学院が先制した。後半12分に青森山田のDF藤原優大、18分にMF安斎颯馬に得点され、一時逆転を許した山梨学院だが、33分にMF野田武瑠が押し込み同点に追いついた。勝負はPK戦までもつれ込み、2人失敗した青森山田に対し、山梨学院は4人全員が成功し、3962校の頂点に立った。

 

 得点王は今大会5得点の青森山田・安斎(埼玉)

山梨学院 2-2 青森山田

  (P K -2)

【得点】

[山] 広澤灯喜(12分)、野田武瑠(78分)

[青] 藤原優大(57分)、安斎颯馬(62分)

 

 

 3962校の頂点を決める戦いはボールを保持する青森山田対粘り強い守備からカウンターを仕掛ける山梨学院の構図となった。

 

 12分、山梨学院のテクニシャンが魅せた。ペナルティーエリア手前左サイドでパスを受けた広澤。左足でトラップすると右足に持ち替え、シュートを放つ。ブロックに来た相手DF2人の間のすり抜けたボールはゴール左隅に突き刺さった。

 

 青森山田は得意のロングスローから活路を見出した。後半12分、右サイドからロングスローでペナルティーエリア内にボールを供給。ニアに位置取る藤原がバックヘッドでボールを後方にそらす。GK熊倉匠がシュートを防ぐものの藤原の足下にこぼれる。これを藤原が左足で押し込み、スコアをタイに戻した。

 

 青森山田の勢いは止まらない。18分、右サイドからのグラウンダーのクロスに安斎が走り込み右足インサイドで合わせる。シュートはゴールラインを割り、逆転に成功。安斎はこのゴールで大会5得点目となり、得点王単独トップに躍り出た。

 

 山梨学院も意地を見せる。33分だった。途中出場のレフティー・FW笹沼航紀が相手DFの股下を抜くスルーパスをペナルティーエリア内右サイドに送る。これに反応した10番の野田が相手GKの位置を冷静に見極め左足でシュートを放ち、山梨学院が同点に追いついた。

 

 勝負は10分ハーフの延長戦でも決着は着かず、PK戦にまでもつれ込んだ。山梨学院の主将でGKの熊倉が、1本のPKを止めるなどの活躍を見せた。PK戦の末、4対2で山梨学院が11年ぶり2度目の全国の頂点に立った。

 

(文/大木雄貴)