新型コロナウイルス感染拡大の影響により延期されていた2020JリーグYBCルヴァンカップ決勝戦、FC東京対柏レイソルの一戦が4日、国立競技場で行われ、2対1でFC東京が勝利し、優勝した。試合は前半16分、FWレアンドロの得点でFC東京が先制したものの、45分にMF瀬川祐輔のゴールで柏に追いつかれた。FC東京は後半29分、FWアダイウトンの得点で勝利した。FC東京は2009年以来、11年ぶり3度目となるカップ戦優勝を成し遂げた。

 

 MVPは先制点を決めたレアンドロ(国立)

FC東京 2-1 柏レイソル

【得点】

[F] レアンドロ(16分)、アダイウトン(74分)

[柏] 瀬川祐輔(45分)

 

 新型コロナウイルスが猛威を振るう中、厳戒態勢で行われたルヴァンカップ決勝戦。球際が激しいゲームが繰り広げられた。

 

 スコアは前半16分に動いた。FC東京のレアンドロが自陣左サイドでクリアーボールを拾い縦に突破を試みる。敵陣に侵入するとカットインをしながら相手DFをふたりかわす。ペナルティーエリア内に入ると右足を振り抜く。シュートは見事ゴール右に決まり、FC東京が待望の先制点を奪った。

 

 FC東京はセンターバックの渡辺剛とジョアン・オマリ、アンカーのMF森重真人が巧みなポジション取りを見せる。柏のリーグ得点王(28得点)FWオルンガと司令塔・江坂任のホットラインを見事に遮断した。

 

 ワントップに入ったFW永井謙佑にチャンスが訪れる。レアンドロ、森重、MF東慶悟とボールがつながる。東が浮き球のパスをゴール前に送ると、これを永井がヘディングで合わせた。惜しくもシュートはGKキムスンギュンにセーブされた。

 

 追加点が奪えないでいると、前半終了間際に気が緩んだように見えた。柏に左CKからのこぼれ球を瀬川に押し込まれ、1対1で試合を折り返した。

 

 長谷川健太監督は後半22分、交代カードを切る。東とFW原大智に代え、MF三田啓貴とFWアダイウトンをピッチに送り込む。この交代策が奏功する。

 

 交代から7分後。アダイウトンが大仕事をやってのける。柏DFのクリアーが小さくなるとFW永井謙佑がヘディングでペナルティーエリア内中央に走り込むアダイウトンにボールを供給。アダイウトンは左足を目一杯伸ばし、爪先で合わせた。シュートはゴール右に吸い込まれ、FC東京が勝ち越しに成功した。

 

 その後も柏のエース・オルンガに決定的な場面を作らせなかったFC東京が11年ぶりにカップ戦を制した。

 

(文/大木雄貴)