山沢拓也、地元熊谷で躍動 パナソニック開幕2連勝 ~トップリーグ~
28日、ジャパンラグビートップリーグ第2節最終日が各地で行われた。埼玉・熊谷スポーツ文化公園ラグビー場では、ホワイトカンファレンスのパナソニック ワイルドナイツが日野レッドドルフィンズを60-15で破った。そのほか大阪・東大阪市花園ラグビー場開催の試合は、同カンファレンスのリコーブラックラムズがヤマハ発動機ジュビロを23-22で下した。
この夏に熊谷市に本拠を移転するパナソニックが、
前半4分、山沢のキックパスをCTBディラン・ ライリーが大外のWTBセミシ・トゥポウに繋いだ。 トゥポウは1人をかわし、インゴール左隅に先制トライ。 14分にはラインアウトからのアタックでWTB竹山晃暉がトライ 。幸先良いスタートを切ったが、 その後は日野の前に出るディフェンスに苦しめられ、 得点が伸びない。
前半を15-5で終えると、 ハーフタイムでキャプテンのHO坂手淳史は「 ハードワークしよう」と声を掛け、 チームのネジを引き締め直した。その一言で「 皆がやるべきことを理解した」(坂手) と後半は見違えるような動きを見せた。
「前半はシンプルにいこうと、考え過ぎてできていなかった」 と山沢。「難しいことは考えずプレーした」 と臨んだ後半は眩いばかりの輝きを見せる。 4分にキックでトライを演出。 山沢のショートパントをライリーが弾くように竹山に繋いだ。 2年目のトライゲッターは快足を飛ばし、50m以上を独走。 インゴール右隅から侵入し、最後は悠々真ん中にボールを置いた。
山沢のショーはまだまだ続く。自らも生かす。 14分には右サイドでボールを持つと、巧みなステップを駆使し、 ディフェンスをかわす。 相手のプレッシャーを受けながらも縦に空いたスペースにショート パントを蹴り込んだ。弾んだボールを自ら掴んでトライを挙げた。
その2分後には自陣中央から右サイドの竹山へキックパス。 リターンパスを受け取ると、完全に抜け出した。 約55mを独走するトライ。コンバージョンキックを成功し、 36-5とリードを広げた。 この日の山沢は23得点を挙げる活躍。ロビー・ ディーンズ監督は「これぞ山沢というプレー。彼は誰も真似できないことをしてくれる」 と高く評価した。
パナソニックは、その後もFL福井翔大、LO長谷川峻太、 FB野口竜司のトライが飛び出し、9トライ60得点で快勝。 開幕2連勝、 いずれも3トライ差以上のボーナスポイントを獲得し、 勝ち点10となった。ディーンズ監督は「勝ち点5をとれたことを満足している」と納得の表情。次節は3月6日、大分でキヤノンイーグルスと対戦する。
(文/杉浦泰介)