神戸製鋼、変幻自在のアタックで開幕3連勝 ~トップリーグ~
ジャパンラクビートップリーグ(TL)第3節が6日、各地で行われ、ホワイトカンファレンスの神戸製鋼コベルコスティーラーズが日野レッドドルフィンズを52-7で下した。神戸製鋼は開幕3連勝。レッドカンファレンスではクボタスピアーズがNTTコミュニケーションズシャイニングアークスとの“千葉ダービー”を制し、開幕3連勝を飾った。
2シーズン前の王者・ 神戸製鋼が今季も上々の滑り出しを見せている。 昨年は新型コロナウイルスの感染拡大により、 途中打ち切りを余儀なくされたが、 開幕6連勝と無敗をキープした。年が変わり、 メンバーが入れ替わっても圧倒的な強さは健在だ。
序盤は日野の素早いプレッシャーに苦しめられ、 自陣でプレーする時間が続いた。前半4分には、 SHオーガスティン・プルにインゴールにボールを運ばれた。 ここはTMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)で、 直前にオブストラクションがあったと判定され、 トライは取り消された。
12分にCTBアタアタ・モエアキオラのトライとSOヘイデン・ パーカーのコンバージョンキックで7点を先制したものの、 すぐに追いつかれてしまう。 なかなか自分たちのリズムに乗れない。
26分、 FB山中亮平のオフロードパスを受けたCTBラファエレ・ ティモシーが1人をかわし、裏へ蹴り込んだ。転がったボールが相手に当たり、 ルーズボールとなった。そこをすかさず拾ったのがNo.8ナエアタ・ルイ。 そのままインゴールまで持ち込んだ。オフロードパス、 グラバーキックを駆使したアタック。スキルの高さ、そしてルーズボールへの反応の良さを見せつけた。
30分にはセットプレーからの得点。 右サイドで得たラインアウトに、 WTB井関信介がラインに加わった。モールを組むと、 井関がインゴール右隅に飛び込んだ。デーブ・ディロンHCは「 同じことをやり続けると対応されてしまう。 常にイノベーティブでいなければいけない」と説明。 キャプテンのLOトム・フランクリンは「 いつもと違うことしたのは良かった」と振り返る。
その後もラインアウトには工夫が見られた。後半1分、 相手のキックがタッチラインを割り、 ハーフウェイライン付近でラインアウトを得た。 ここで途中出場のSOアーロン・クルーデンがクイックスロー。 スピードに乗った状態でパスを受けたWTB山下楽平がそのまま駆 け抜け、トライを挙げた。「常にチャンスがあれば狙っていく」 と山下。 クルーデンとのアイコンタクトで成立したコンビプレーだった。
神戸製鋼はその後もナエアタ、モエアキオラ、 山下に2個目のトライが生まれるなど、 中外と分厚いアタックで日野の守備網を突き破った。 序盤は苦戦を強いられたものの、終わってみれば7トライを挙げ、 52得点の快勝だ。フランクリンは「TLで優勝するため、 相手を圧倒することにプライドを持っている」と語った。 次節は東京・駒沢オリンピック公園陸上競技場に乗り込み、 リコーブラックラムズと対戦する。
(文/杉浦泰介)