U-24日本代表は29日、同アルゼンチン代表とミクニワールドスタジアム北九州で対戦し、3対0で勝利した。試合は前半45分にFW林大地(サガン鳥栖)が右足で先制点を決めた。後半に入ると左CKからキャプテンマークをまいたMF板倉滉(フローニンゲン)が頭で合わせ、リードを広げた。その5分後にも板倉が左CKからヘディングシュートを決めた。

 

 久保、2アシストの活躍(ミクニワールドスタジアム北九州)

U-24日本代表 3-0 U-24アルゼンチン代表

【得点】

[日] 林大地(45分)、板倉滉(68、73分)

 

 U-24日本代表は3日前、同アルゼンチン代表に味の素スタジアムで0対1と敗れた。東京五輪南米予選を1位で通過したチームの攻め手はシンプルながらも、推進力と強さがあった。日本は相手のロングボールで裏を狙ってくる戦術に苦しんだ。

 

 中二日での修正。それはワントップにMF堂安律(ビーレフェルト)の代わりに追加招集した林を起用し、前線から激しくプレスをかけ、相手DFラインの裏を狙い続けることだった。フィジカルコンタクトを厭わない林は「ビースト」の異名を誇る。これまで世代別日本代表への招集歴はない。しかし、今季、所属先の鳥栖でリーグ戦6試合3得点と結果を残している。この日、ビーストはチームの期待通り、相手のセンターバックの体をぶつけ、スペースを狙い続けてペースを日本に引き寄せた。

 

 林の働きが奏効したのは前半45分。前線で林が浅くなった相手DFの裏を取る動きを見せる。日本の最終ラインでボールを持ったDF瀬古歩夢(セレッソ大阪)から高精度のフィードが飛ぶ。これに反応した林は右足アウトサイドでワントラップし、ペナルティーエリア内に侵入。相手GKのタイミングを外し、ゴール右に蹴り込んだ。安易に下がってボールを受けるだけでなく、前線でひとり粘りながら相手DFと駆け引きをしていた林の手柄だった。

 

 後半に入ると日本はセットプレーから活路を見出した。

 

 23分、左CK。キッカーは左利きのMF久保建英(ヘタフェ)。アウトスイングの軌道を描いたボールは鋭い弧を描きながら、ファーサイドに走り込んだ板倉の頭にピタリと合った。強烈な板倉のヘッドで日本が追加点を奪った。

 

 その5分後。またしても久保の左CK。19歳レフティーはニアにクロスを供給。これに反応したのはまたしても板倉だった。マーカーを振り切りながらも後方から勢いをつけ、ヘディングで合わせたボールは豪快にゴールネットに突き刺さった。

 

 この後も日本は難なく試合をコントロールし、試合終了の笛を迎えた。3日前は0対1と完封負けを喫した相手に見事、リベンジを果たした。

 

(文/大木雄貴)