『第4回東京カープ会』Vol.1 金石昭人登場! カープはまず投手を獲れ!

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 投打の柱、黒田博樹と新井貴浩がそろってチームを去った今、どうなるカープ、どうするカープ――。
 07年12月8日、都内で『第4回東京カープ会』が開かれた。熱心なカープファン約230人と6人のパネリストが、愛するカープについてトークバトルを展開した。どのようにすれば、かつての“最強赤ヘル軍団”は蘇るのか。
<提供:サントリー株式会社 株式会社すぐる 株式会社ドリームコーポレーション 日本食研株式会社 萩森水産株式会社 明治製菓株式会社
※パネリストはスペシャルゲストの元カープ・金石昭人さん(野球解説者)、川口和久さん(野球解説者)、田辺一球さん(スポーツジャーナリスト)、上田哲之さん(書籍編集者)、下前雄さん(NPO法人理事)、そして当ホームページ編集長の二宮清純の6名です

二宮: こんばんは。みなさん、今年はなんだか元気ないですね(笑)。それにしても星野ジャパンで4番の新井貴浩はよく打ちました。来年はどこかタテジマのユニホームを着るみたいですけど(苦笑)。その話もおいおい出ると思いますが、元気出していきましょう!
 それではゲストの紹介です。まずは下前雄さん。一橋総研の理事をされています。カープの経営について語っていただきたいと思っています。次はカープのことならこの人に聞け! 田辺一球さん。もう1人もレギュラーでカープファン歴48年、上田哲之さん。
 さらに2年ぶりの登場です、川口和久さん。川口さんは先日、マスターズリーグで先発されたとか。調子はいかがですか。

川口: まだ、スピードは出ますよ。120キロくらいは(笑)。肩がさびているんで、それを取るのに60球くらい試合前に投げ込むんです。ところが試合では10球投げたら終わり(笑)。年々、衰えを感じています。ただ、広池浩司には負けないですよ。変化球のキレも負けていませんから(笑)。

二宮: これは喜んでいいのか、悲しんでいいのか……。
それでは、お待たせしました。今回のスペシャルゲストの登場です。カープで活躍し、その後ファイターズでも抑えとして鳴らしました。金石昭人さん!
金石: こんばんは。みなさんの熱い視線をすごく感じますね(笑)。よろしくお願いします。

二宮: ここでみなさんに問題です。金石さんの身長は何センチでしょう? (191、196、203センチなど、飛び交うがいずれもハズレ) 正解は金石さんからどうぞ。
金石: 196.5センチです。でもレーシッチが確か198、199センチくらいありました。彼がチーム一の長身でしたね。190センチを越えると1センチの差は結構でかく感じるんですよ。

二宮: それでは本題に入りましょう。今季からセ・リーグにもクライマックスシリーズが導入され、昨年のこの会でも、3位までに入ればいいという話が出ました。例年以上に期待して開幕を迎えたのですが、結果は言うまでもないでしょう。
 特に交流戦で5勝18敗1分と大きく負け越したのが痛かった。それまでは勝率5割、3位できていたのに、交流戦をきっかけにズルズル後退してしまいました。まずは現場で一番、取材されていた田辺さんに聞きたい。今年のカープはどこがダメだったんでしょう?

田辺: 見通しが甘かったんでしょうね。首脳陣、選手の中には「3位ならなんとかなるのでは」との思いはあったのでしょうが、それを具体的にどう達成するかという戦略、戦術がなかった。交流戦では、ブラウン監督が「いつも通り戦う」と語っていましたが、最終的な総括としては「いつも通り戦えなかった」と。結果的に、交流戦、シーズンをどう戦うか、イメージを監督、選手が描けていなかった。

二宮: 試合数が減ったとはいえ、他球団は交流戦に対して、スカウトを派遣したり、データを集めたり、かなり力を注いでいます。カープの場合は、そのあたりの“予習”が足りなかったような気がするのですが。
田辺: 交流戦は何度も同じ相手と対戦するわけではありませんから、一発勝負の要素が強い。いわば受験みたいなものです。普段以上に相手の“傾向と対策”をつかんでおく必要があったと思いますね。その点が不足していたのは、言い訳できないでしょう。

二宮: 川口さんは、今年のカープをどうご覧になりましたか?
川口: 毎年思うことなのですが、最下位のチームは何勝しているのかと、そして優勝チームは何勝しているのかと。今年の場合は最下位のヤクルトが60勝、優勝した巨人が80勝。20勝の差です。これは単純に言えば、20勝投手がひとり加われば、追いつける差なんです。
 それならスカウト陣、編成が投手をどんどん獲るべきです。ここをカープはもっと考えて、追及していくべきでしょう。若手のみならず、他では出番に恵まれない中堅、ベテラン投手でもいいんです。単なる戦力としてではなく、彼らの考え方や姿勢から若手が学ぶことも多いんですから。

二宮: 確かに強かったときのカープはまず投手陣が安定していました。打線は水物ですからね。金石さんは現状のカープについて、どう思われますか? 金石さんの古巣でもあるファイターズにカープは今年1勝もできませんでした(交流戦で0勝4敗)。
金石: 日本ハムの今年の戦い方をみると、チーム打率.259がリーグ最下位(オリックスと同率)、チーム本塁打73とチーム打点498はいずれも12球団最下位です。それでも優勝できた要因は何か。川口さんの言われたように守りの野球、投手力ですよ。
 カープも先発の駒をそろえて、7、8、9回を任せられるリリーフ陣がいれば、必ず上に行けると思うんです。

川口: ヒルマンが攻撃でこだわったのは何か。それはバントです。さらにピッチャーの投げ込みも認めた。ヒルマンが方向転換して日本ハムは変わりました。
二宮: カープも日本ハムのように、いわゆるスモールベースボールを徹底する必要があると?

川口: 実は今年のキャンプ、マーティに聞かれました。「オレのやっていることは正しいか?」と。僕は「自分が正しいと信じているなら、その通りやればいい。広島のファンは君の野球が好きだよ」って答えました。
ただ、来年は変わらなくてはいけません。小技にもっとこだわるべきだし、若い投手のレベルが高くないなら、もっと練習させるべきです。

(Vol.2に続く、随時更新します)

<パネリストプロフィール>
金石昭人(かねいし・あきひと)
  1960年12月26日、岐阜県出身。PL学園高では控え投手だったが、夏の甲子園優勝を経験。79年ドラフト外で広島に入団した。196.5センチの長身から投げ下ろすストレート、フォークを武器に85年に6勝をマークすると、86年に12勝をあげてリーグVに貢献した。日本ハムに移籍した92年には自己最多の14勝。93年以降は日本ハムのクローザーとして活躍した。98年に巨人に移籍し、同年限りで引退。通算成績は329試合、72勝61敗80セーブ、防御率3.38。現在は解説業も行いながら、都内で飲食店を経営している。

川口和久(かわぐち・かずひさ)
 1959年7月8日、鳥取県出身。鳥取城北高校から社会人野球チーム・デュプロを経て、80年広島にドラフト1位で入団。長年、左のエースとして活躍する。87、89、91年と3度の奪三振王のタイトルを獲得。94年にFA権を得て、読売ジャイアンツに移籍。96年にリーグ優勝を果たした際には胴上げ投手となった。98年シーズン終了後に現役を引退。通算成績は435試合、139勝135敗、防御率3.38。現在、解説者の傍らテレビやラジオにも出演するなど、幅広く活躍している。

田辺一球(たなべ・いっきゅう)
 1962年1月26日、広島県出身。スポーツジャーナリスト。カープ取材歴は約20年にのぼる。“赤ゴジラ”の名付け親。著書に『赤ゴジラの逆襲〜推定年俸700万円の首位打者・嶋重宣〜』(サンフィールド)がある。責任編集を務めた『カープ2007-2008永久保存版』も好評発売中。現在もプロ野球、Jリーグほか密着取材を行っている。スポーツコミュニケーションズ・ウエスト代表。
>>責任編集サイト「赤の魂」はこちら


上田哲之(うえだ てつゆき)
 1955年、広島県出身。5歳のとき、広島市民球場で見た興津立雄のバッティングフォームに感動して以来の野球ファン。石神井ベースボールクラブ会長兼投手。現在は書籍編集者。



下前雄(しもまえ・たかし)
1966年、広島県出身。株式会社ジーアンドエフ代表取締役。一橋大学経済学部卒業後、三井不動産入社。93年にジーアンドエフを設立。ソフトウェア開発を中心に事業を展開。NPO法人一橋総合研究所理事兼任。
>>NPO法人一橋総合研究所のホームページはこちら




※携帯サイト「二宮清純.com」ではHPに先行して、いち早く第4回東京カープ会の内容を配信しています。HPでは掲載できなかったトーク部分も追加。今回の携帯版限定トークは、ブラウン監督、現役時代のエピソード。ぜひ、携帯サイトも合わせてお楽しみください。


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