愛媛FCが天皇杯で快進撃を続けている。J2の愛媛は第87回天皇杯全日本サッカー選手権大会において、4回戦でJ1の浦和レッズを、5回戦では同じくJ1の横浜FCを撃破し、見事にベスト8入りを果たした。
(写真:12月23日、川崎戦に臨む愛媛FCを埼玉スタジアムで応援しよう!)
 2007のJ2リーグ戦は、既に終了している。今シーズンは13チーム中10位という下位の成績に終わった愛媛ではあるが、モチベーションは現在も上昇中である。目標を天皇杯に絞り、J1のクラブを相手に素晴しい試合を展開し、勝利という結果を残しているのだ。

 そのことは、マスコミを通じて全国に報道され、愛媛の注目度も上がった。「アジアチャンピオン浦和が、J2の愛媛FCに破れる!」「愛媛FCが、カズ(三浦知良選手)率いる横浜FCに劇的勝利!」など、毎週のように新聞やニュースから愛媛という言葉がたくさん聞かれ、愛媛県民や全国の愛媛県出身者に勇気を与えた。

 現況、J2リーグ戦の話題が全国ニュースで扱われる機会は残念ながら少ない。しかし、今回のようにJ1クラブを破る金星を上げることができれば、中央のマスコミも注目するような状況をつくれるのである。

 サッカーに限らず、今回、愛媛という地名を全国の方に覚えてもらえる良い機会がつくれたことは大きな収穫だと感じる。全国での愛媛県の認知度は、まだまだ高くない。特に東日本の方々は、四国内の地名や場所を覚えてくれている人は、多くないと聞く。

 それでも今回のような話題がニュースにのぼり、愛媛の名前が、他地域の人々の目や耳に届き、興味を抱いてくれたならば、愛媛の様々な産業に関わる我々にとっても、無料でCMを打った様な効果も期待できるし、たちまち観光や物産品の販売にも良い影響がもたらされるかもしれない。そして、私たち自身も自分たちの地域に誇りを持つことができ、また人々の結束力を高めることができると感じている。

 サッカーのJリーグという限られた範囲のプロスポーツカテゴリーではあるが、世間に対する影響力は計り知れないものがある。愛媛FCが存在することで地域に対し利益が還元されることが、地域の人々にも少しずつ理解されつつあると思う。今回のような大きな露出が、人々の理解度を加速させ、サポートや支援活動の充実につながることを期待したいものだ。

<12月23日は埼玉スタジアムへ!>

 きたる12月23日(日)、同大会の準々決勝、愛媛FC対川崎フロンターレが、埼玉スタジアム2002で行われる。対戦相手の川崎と言えば、1999年や2004年の天皇杯での悔しい敗戦を思い出す。

 1999年に行われた第79回大会の1回戦では、その当時は無名の新人だったFW我那覇和樹選手に、次々と得点を決められ、愛媛FCはホームでの健闘虚しく敗戦を喫した。2004年に行われた第84回大会の3回戦では、敵地の等々力陸上競技場に乗り込み、善戦したものの、これまた敗戦。様々な部分において力の差を感じた試合だった。

 しかし、厳しいリーグ戦の中で経験を積み、愛媛FCは実力をつけてきた。ベテラン勢の充実したプレー、そして若手選手の成長には目を瞠るものがある。愛媛は、確実に強くなっているのだ。

 J1チームに臆することは何もない。積年の雪辱を晴らす時がきたのだ。再び、愛媛の名前を全国に知らしめるため、J1の川崎を破って、準決勝に駒を進めて欲しい。

 そのためには、チームを後押しする大勢のサポーターが必要不可欠である。愛媛を愛する全国の皆さんに御願いしたい。是非、当日は埼玉スタジアム2002に集結し、愛媛FCを熱く応援して頂きたい。愛媛の明るい未来を勝ち得るために……。

松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール
1967年5月14日生まれ、愛媛県松山市出身。
愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。
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