東京オリンピック競泳は28日、女子200m個人メドレーの決勝が行われ、大橋悠依(イトマン東進)が金メダルを獲得した。2位はアレックス・ウォルシュ(米国)、3位はケート・ダグラス(米国)が入った。

 

 予選を全体5位で通過した大橋は2レーンからのスタートとなった。2冠への意気込みを聞かれ、「メダルを取りたいし、その準備はするけど、自己ベストを狙うつもりで臨みます。焦ることもあるから冷静に泳げるようにイメージしたい」と語った。

 

 きれいに揃ったスタートから、最初のバタフライを大橋は5番手で通過。第2泳法の背泳ぎで2番手に上がり、そのまま平泳ぎへ。ここでトップには中国の余依婷が立ち、大橋もこれを追う。2人のアメリカ勢も僅差に迫り、いよいよ最後の自由形、50メートルに勝負は持ち込まれた。

 

 ターンからウォルシュとトップを争う大橋は、残り25メートルの時点でリードを奪い、最後の10メートルはウォルシュと指差のデッドヒートとなった。ラスト5メートル、大橋は息継ぎなしのノーブレスで泳ぎ、トップを守りきった。タイムは2分08秒52、2位ウォルシュとはコンマ13秒差だった。

 

 400メートル個人メドレーではフィニッシュ後に涙を流した大橋だったが、今回は笑顔でプールサイドを歩きスタンドの選手、関係者の声援に応えていた。以下、初のオリンピックで二冠となった大橋の喜びの声。

 

「最後、自分の体は止まっているような感じでしたが、なんとか踏ん張れた。勝っても負けても後悔がないように最後はすべてを出し切れました。初五輪の景色は夢みたいでまだ実感がありませんが、こうした大舞台で良い形で自分の泳ぎができたことは今後の自信になる。これまで周囲の人に迷惑をかけてきた分をこれで少しは返せたかなと思います」

 

 

(文/SC編集部・西崎)