「新型コロナウイルス感染状況等を鑑み、当面の間(高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ2021四国の)リーグ戦の全試合を無観客で実施する」

 

 新シーズン開幕を直前に控える4月1日(木)、プリンスリーグ四国事務局より、上記の発表がなされた。

 

 愛媛FC U-18が参戦しているプリンスリーグ四国。昨シーズンは、新型コロナウイルス感染症拡大により、公式リーグ戦の開幕も大幅な遅延を余儀なくされることになり、またリーグ戦の試合数も例年の半分(18試合が9試合)に短縮される等、大きな影響を受けている。

 

 そして、今シーズンも全試合が無観客での開催となっており、残念ながら私達サポーターが会場に足を運んで応援したり、観戦することも出来ない状況が続いている。

 

 憎むべきはウイルスであり、誰が悪いということでもないので、仕方ない事であると納得はしている。なので、今年も一戦一戦での勝利を心の中で祈りつつ、愛媛FC U-18チームの応援を続けていきたい。

 

 シーズンの開幕戦(プリンスリーグ2021四国の第1節)は4月3日(土)。愛媛FC U-18は、尽誠学園高校との対戦を予定していたが、感染症拡大の影響により試合の延期が決定。いきなり、スケジュールが崩れる形となってしまった。

 

 それでも第2節は予定通り、4月10日(土)に行われ、愛媛は高知高校とアウェイにて対戦。最後まで一進一退の攻防が続くも決着は着かず、試合は0-0のスコアレスドローに終わった。

 

 ようやく新シーズンのスタートを切り、調子を上げていきたいところだったが、翌週に行われる予定であった第3節の大手前高松高校との試合も延期という形になってしまった。

 

 第4節は4月24日(土)に行われ、愛媛はアウェイにて高知中央高校と対戦。立ち上がり、相手に先制を許すも、FW得居大真選手のゴールで同点。前半のアディショナルタイム、敵に追加点を奪われるが、後半終了間際にDF佐伯竜征選手のアシストを受けたMF渡部広也選手のゴールで追い着き、試合終了。スコア2-2の引き分けに終わった。

 

 

 続く第5節と第6節も試合の延期が決定。

 

 第7節は予定通り6月26日(土)に行われ、愛媛は四国学院大学香川西高校と対戦した。前半に2点を先行され苦しい展開の愛媛。後半立ち上がりにFW伊井涼馬選手のゴールで1点を取り返すも追い着くことは出来ず試合終了。スコア1-2で敗戦。相手の3倍以上のシュートを放つも決定力に欠ける等、悔しい内容であった。

 

 7月3日(土)に行われた第8節では、今治東中等教育学校と対戦。0-0のまま迎えた後半の立ち上がり、得居選手が先制ゴールを奪う。後半アディショナルタイムには、途中出場のFW日野晴天選手がDF新田羽海選手のアシストから駄目押しの追加点を奪い、スコア2-0で愛媛が勝利した。

 

 7月10日(土)には第9節が行われ、愛媛はアウェイで徳島市立高校と対戦した。前半35分に伊井選手のアシストからDF小野成夢選手のゴールが生まれるが、僅か4分後に相手に追い着かれてしまった。そのままスコアは動かず、「1-1」の引き分けに終わった。

 

 翌週の7月17日(土)、延期となっていた第1節(尽誠学園高校との対戦)が行われた。前半14分のFW梶原慧汰選手のゴールを皮切りに、得居選手やDF土井嘉人選手、FW行友翔哉選手等の得点もあり、最終スコア「6-0」で愛媛の完勝であった。

 

 この試合、先制ゴールを挙げた梶原選手は、その後も得点を積み重ねハットトリックを達成する等、大活躍であった。

 

 7月25日(日)、これまた延期となっていた第3節が行われ、大手前高松高校と対戦。前半18分に新田選手のアシストから行友選手の先制点が生まれる。前半37分には、MF吉見夏樹選手によるゴールで追加点。更に後半12分、新田選手がゴールを決め、最終スコア「3-0」で愛媛が快勝を収めた。

 

 3得点も素晴らしいが、無失点で試合を終わらせたことも評価してあげたい。

 

 ここまで(7月25日時点)の愛媛FC U-18は、3勝1敗3引き分け(勝ち点12)で10チーム中、3位というリーグ戦での戦績。(試合の延期が発生する等、各チームの消化試合数が異なるので、あくまでも暫定の順位である。)

 

 今シーズンの前半戦、愛媛は引き分け試合が多くなっているのが気に掛かる。シュート数で相手を上回り、試合を優位に進めているのに勝利に繋げられず、勿体無く感じてしまう。チームとしての連携力を高める等、工夫すれば、もっと勝ち点を伸ばせるはず。ここからの修正も充分可能だと思うので、シーズン後半戦への奮起に期待したい。

 

 愛媛FC U-18はリーグ戦の他、5月に行われた第45回 日本クラブユースサッカー選手権U-18大会の四国大会にも出場している。この大会は、四国内のJリーグ・クラブユースチーム4チームによる総当たりリーグ戦となっている。

 

 愛媛は初戦、徳島ヴォルティスユースにスコア「2-0」で勝利。2戦目もスコア「2-0」でFC今治U-18を降し2戦2勝。しかし、全勝同士で迎えた最終戦でカマタマーレ讃岐U-18にスコア「0-2」で敗れ、惜しくも優勝を逃し、リーグ戦では2位に終わった。本大会への出場は、四国から1チーム(優勝チーム)のみということで、愛媛は全国への切符を手にすることは出来なかった。

 

 今季も愛媛FCアカデミーでは、公式戦に於ける延期試合等が発生し、スケジュールが不安定なままシーズンが進んでいる。そんな中、コンディションを整えていくのは、若い選手達にとって体力的にも精神的にも難しい状況にあると思う。それでも、誰にも譲れない其々の夢や目標があると思うので、そのことを再確認しながら強い気持ちを持って、これからの試合を大切に戦ってもらいたい。

 

<松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール>

1967年5月14日、愛媛県松山市出身。愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。


◎バックナンバーはこちらから