東京オリンピック卓球は5日、卓球女子団体の決勝、日本対中国が行われ、日本は0-3のストレートで敗れ、中国が金メダル、日本は銀メダルを獲得した。

 

 中国越えを果たしたい日本は、第1試合のダブルス、石川佳純・平野美宇対陳夢・王曼昱に臨んだ。石川のサーブで試合が始まり、日本ペアは立ち上がりから積極的な攻めを見せた。常に試合をリードする展開で、追いつかれた後も確実にポイントを奪い、第1ゲームをものにした。中国ペアはこの第2ゲームは開始から積極的な攻撃を見せ、日本ペアは打ち込まれる場面が目立った。ミスなく得点を重ねる中国ペアに対し、日本は石川のカウンターで巻き返しを図るが、これも中国に跳ね返される。中国がゲームポイントを迎えたあと、日本は3連続ポイントで意地を見せたが、結局、6-11でゲームを取られ、イーブンに戻された。


 第3ゲーム、ともに主導権を握ろうと、強いショットで相手を互いに攻め、序盤は日本ペアがリードを奪った。だが、中盤から中国ペアが反撃し、リードを拡大。結局、8-11と僅差で中国がこのゲームを取り、ゲームポイント2-1と日本を追い込んだ。後のなくなった日本ペアは、長いラリーに正気を見出そうとするが中国ペアがことごとく跳ね返す。流れを変えようとタイムアウトを取ったものの、その後も中国の勢いは衰えず、このゲームも11-7と中国がとり、まず1試合リードした。

 

 続く第2試合は伊藤美誠vs孫穎莎と、シングルス準決勝の再戦となった。「雪辱を」とシングルス銅メダルを胸に誓った伊藤だったが、第1ゲームを8-11で落とすと、第2ゲームも5-11。第3ゲームは11-3と取り返したものの、第4ゲームは序盤から孫の強い攻撃を前に、流れを変えられず、3-11と押し切られてしまった。

 

 第3試合は平野美宇と王曼昱の対戦となった。後のない日本は、平野が積極的に迫るが、これが裏目に出た。第1ゲーム、中盤から平野のミスが目立ち、レシーブがネットにかかる場面が多発。結局、5-11で第1ゲームを中国に渡してしまった。続く第2ゲーム、平野は立ち上がりから3連続ポイントを奪い、主導権を握ろうとする。だが、ここで王がタイムアウトを取り、イヤな流れを止めた。その後、王は4連続ポイントと平野を圧倒。中盤、平野も盛り返したものの、王も踏ん張り、結局、11-9で王がゲームを取った。これで日本は後がなくなった。

 

 迎えた第3ゲーム。一矢報いたい平野だが、王が左右にボールを散らし、平野を振り回す。なんとか返す平野に対し、王は余裕で対応し、中盤で6-1と圧倒。なんとか巻き返したい平野だったが、焦りからミスが目立ち、王が流れを渡さず、結局11-3と王が圧勝した。

 

 これで中国がストレートで3試合をものにし、金メダルに輝いた。3大会連続メダル、前々回のロンドン以来の銀となった日本だが、試合後のインタビューでは悔しさをにじませた。

 

 平野、伊藤が「悔しいです。でも、楽しかった」と声を振り絞り、後輩2人を擁したチームを牽引した石川は、「負けて悔しいけれど、ここまで来られたことに感謝します。後輩の2人はとても強かったです」と気丈に語った。

 

(文/SC編集部・西崎)