11月1日(木)

プロ野球
 1日、日本シリーズ第5戦がナゴヤドームで行なわれた。相手打線を無安打無失点と完璧に抑え、平田良介の犠牲フライで奪った1点を守りきった中日が北海道日本ハムを下し、53年ぶりの日本一に輝いた。
 勝てば日本一が決定するという大一番に、中日の先発・山井大介が8回まで無安打無失点のパーフェクトピッチングを披露した。
 一方、日本ハムの先発・ダルビッシュ有も初回を2者連続三振を含む三者凡退にきってとり、最高の滑り出しを見せた。

 ところが、2回裏、ウッズ、中村紀洋に連続安打を打たれ、無死2、3塁のピンチを招く。続く李炳圭を三振に仕留めるも、平田良介の犠牲フライで先取点を奪われた。
 3回以降は立ち直りを見せたダルビッシュ。ランナーを出しながらも要所を締める好投で7回まで無失点に抑えた。あとは打線の援護を待つばかり。しかし、不振が続く打線は絶好調の山井を攻略することができず、わずか1点が日本ハムに重くのしかかる。

 中日1点リードのまま、試合は9回表に突入した。注目されたのは投手の交代があるかどうか。セオリー通りでいけば岩瀬仁紀だが、あと1回を抑えれば山井は日本シリーズ史上初の完全試合達成となる。果たして落合博満監督はどんな決断を下すのか――。スタンドから山井コールが起こる中、落合監督は球審に守護神・岩瀬の名を告げた。

 全てを託された岩瀬は、金子誠を空振り三振、代打・高橋信二をレフトフライに打ち取り、優勝まであとアウト一つとする。打席には小谷野栄一が入った。カウント2−2と追い込まれた小谷野は外角高めのシュートをひっかける。セカンドの荒木雅博がゆっくりとファーストのウッズへ。ウッズが伸ばしたグラブにボールが収まった瞬間、中日の日本一が決定した。

 3度目の正直となった落合監督。「今日は泣かない」と笑顔を見せ、優勝インタビューに答えた。
「感無量です。53年間というのも長いが、この4年間も長かったです。(ダルビッシュは)そんなに点数をとれるピッチャーではないので、1−0で逃げ切らなければいけないと思っていたが、まさか山井があんなピッチングを見せてくれるとは……。
 今のプロ野球界はまさに戦国時代。(選手たちは)よくぞここまで耐え、精神的にも強くなったな、と思う。53年ぶりに日本一になったが、まだ中日には連覇がない。それと、クライマックスを勝ちあがってきて日本一……その課題もチームには残っている。今年は第1ハードルをうまく越えられなくて悔しい思いをしたが、それを全てここにぶつけてくれたのだと思います」

 またこのシリーズ、打率.444、4打点と活躍した中村紀がMVPに輝いた。感極まった中村紀は、大粒の涙を流しながら、次のように述べた。
「最高です。今は本当にホッとしている。今まできつかったなと思います。いろいろ手伝ってくれた人たちがいる。ドラゴンズの関係者の方、チームメイト……本当にいろいろ助けていただいてありがとうございました」

 日本の頂点に立った中日は、8日からのアジアシリーズに挑むことになる。


◇第5戦
 山井、8回まで無安打無失点のパーフェクト(中日4勝1敗、ナゴヤドーム)
北海道日本ハム    0 = 000000000
中日           1 = 01000000×
勝利投手 山井(1勝0敗)
敗戦投手 ダルビッシュ(1勝1敗)
セーブ   岩瀬(2S)

<中日、日本一 今こそ16球団制に! 〜清純ボイスコラム配信中 携帯サイト「二宮清純.com」〜>

 携帯サイト「二宮清純.com」でしか聞けない二宮清純のとれたてボイスの一部を公開!!
「中日が53年ぶりの日本一を達成しました。長いプロ野球の歴史の中でリーグ優勝を果たしていないチームの日本一は初めてのことです。これまでの中日は……」<続きは携帯で>

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残り3分で逆転の仙台が白星発進
◇11月2日、黒部市総合体育センター
富山グラウジーズ 74−77 仙台89ERS
【第1Q】 15−16【第2Q】 15−13【第3Q】 20−24【第4Q】 24−24


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