サッカー日本代表(FIFAランキング24位)は2日、カタールワールドカップアジア最終予選の初戦で、オマーン代表(同79位)とパナソニックスタジアム吹田で対戦し、0対1で敗れた。試合は後半43分、FWイサム・アブダラ・アルサビに先制を許した。

 

 五輪年代を先発させず(吹田)

日本代表 0-1 オマーン代表

【得点】

[オ] イサム・アブダラ・アルサビ(88分)

 

 雨に見舞われた吹田でのアジア最終予選初戦。日本は堅いメンバーで試合をスタートさせた。MF遠藤航(シュツットガルト)とボランチを組んだのは約10カ月ぶりに代表復帰を果たしたMF柴崎岳(レガネス)。また、先日プレミアリーグ・アーセナルに移籍が決まったDF冨安健洋に代わりDF植田直通がスタメン出場を果たした。東京五輪で活躍したMF堂安律(PSV)、MF久保建英(マジョルカ)、DF中山雄太(スヴォレ)、GK谷晃生(湘南ベルマーレ)らはベンチスタートだった。

 

 前半、日本はパス回しのテンポに変化がなく低調な攻撃に終始した。後半、日本は攻撃のギアをあげるため、MF原口元気(ウニオン・ベルリン)に代えてFW古橋享梧(セルティック)を左サイドハーフでピッチに送り出した。

 

 アクセル全開と行きたかった日本だったが後半6分、ひやりとする場面を迎える。日本の右サイドをMFアブドゥラ ファワズにドリブルで突破され、クロスを入れられる。これをDF長友佑都(無所属)がペナルティーエリア内で跳ね返すものの主審は笛を吹き、日本のペナルティースポットを指さした。

 

 ここでビデオアシスタントレフェリー(VAR)の介入があり、主審は映像をチェック。長友の左腕にボールは当たっているものの、脇をしめ、胴体にピタリと肘がついていたこともありPKは取り消された。日本はVARに助けられたが、再度を崩されクロスを許した点は反省すべきだった。

 

 18分にはMF伊東純也(ゲンク)をベンチに下げ、堂安を送り出した。続く26分、森保一監督はMF鎌田大地(フランクフルト)に代え、MF久保建英(マジョルカ)をピッチに投入する。相手DFラインとボランチの間でボールを受ける久保の投入は相手をおびき出す狙いもあったはず。それならば、もう少し早めの時間にいれるべきだったのではないか。

 

 2列目3人を全てフレッシュな選手にしたにも関わらず相手DF陣を混乱に陥れることはできず。ボランチから縦に鋭いパスが入ることはほとんどなくサイドが手詰まりになる場面が散見された。

 

 迎えた43分。日本の左サイド深い位置でMFサラー・サイド・アルヤヒアエイにボールを持たれる。柴崎が寄せるが詰めが甘く簡単にクロスを供給された。このボールに後方から走り込んできたアルサビに右足で合わせられた。無情にもボールは日本の守るゴールネット左にすっぽりと吸い込まれた。

 

 ここから日本はDF吉田麻也(サンプドリア)を前線に上げ、パワープレーに入るが奏功せず、試合終了のホイッスルが鳴った。日本はホームで迎えた大事な初戦を手痛いドローで最終予選を発進した。次節は7日、中立地ドーハで中国代表(FIFAランキング71位)と対戦する。

 

(文/大木雄貴)