7日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第1戦がイランのイスファハンで行われ、アウェーの浦和レッズが1−1でセパハン(イラン)と引き分けた。第2戦は14日に埼玉スタジアムで行われ、浦和はスコアレスドロー、もしくは勝てば、大会初優勝が決まる。

◇11月7日、イラン・イスファハン
セパハン 1−1 浦和レッズ
【得点】
[セ] モハメド・カリミ(46分)
[浦] ロブソン・ポンテ(44分)
 アウェーの洗礼に耐えて、ドローに持ち込んだ。

 満身創痍での戦いだった。今遠征には、左太もも裏痛のDF闘莉王、右足ふくらはぎ肉離れの主将MF山田が帯同せず。MF鈴木は右太もも裏痛を抱え、エースのFWワシントンは鼻骨骨折でフェイスガードをつけてのプレーを余儀なくされた。オジェック監督は、山田の代役として右サイドにDF阿部を抜擢するという緊急措置をとらざるを得なかった。

 さらにアウェーの洗礼が待ち受けていた。試合が行われたイランのイスファハンは、約1600メートルの高地で空気が薄く、体力の消耗が避けられない。加えて、ピッチは未整備でデコボコだった。

 慣れない環境で、浦和は序盤から守勢に回った。ドイツのブンデスリーガでのプレー経験があるMFナビドキアを中心に攻めるセパハンに、左サイドを何度も崩される。20分過ぎから盛り返し、26分にはPA左に侵入したFW永井が右ポスト直撃のシュートを放つも、攻撃の時間は長く続かなかった。

 だが、その悪い流れの中でブラジル人司令塔が決定的な仕事をこなした。44分、左サイドで平川、長谷部を経て、MFポンテにボールが渡る。左斜め45度、ワントラップして狙い済まして右足を振りぬいた。無回転の強烈なミドルシュートが相手のGKの両手をすりぬけ、右サイドネットに突き刺さった。今大会4試合で1失点と堅守を誇るセパハンのゴールをこじあけ、貴重な先制点を奪った。

 しかし、喜びの時間は長くは続かなかった。後半開始直後、右クロスから崩され、シュートが左ポストに当たって跳ね返ったところを相手のエースFWカリミに押し込まれた。開始わずか40秒での痛恨の失点だった。

 その後もセパハンの分厚い攻撃にさらされた。9分、左クロスを胸で受けたカリミにGK都築との1対1に持ち込まれ、35分には左サイドを崩されて、ゴール左にわずかにそれるシュートを打たれた。
 その猛攻を、疲労で止まりかけた足を必死に動かして耐えた。イランにまで応援にかけつけたサポーターの声援も背中を押した。1−1のまま終了の笛。後半の長い45分間、ゴールを割らせなかった。

 次につながるドローといえそうだ。アウェーゴールを奪ったことで、第1戦を終えて、有利な状況に立った。5万人以上の大観衆の後押しが得られるホームの第2戦で、勝ち、もしくはスコアレスドローという結果を残せばいい。第2戦には、闘莉王の復帰という好材料もある。
 ただ、今回と同様にアウェーの第1戦で引き分けた城南一和との準決勝第2戦で後半に2ゴールを奪われて、一時は敗退の危機に追い込まれたように油断は禁物。最後まで気を緩めなければ、その先に悲願のアジア制覇が待っているはずだ。
◎バックナンバーはこちらから