香川オリーブガイナーズの堂上隼人捕手が、このほどMLB球団と入団に向けて交渉を行っていることが明らかになった。一部の地元メディアも報道している。交渉先は松坂大輔投手や岡島秀樹投手が在籍するボストン・レッドソックスとみられる。正式に交渉がまとまった場合、マイナー契約が予想されるが、リーグ初のMLBプレーヤー誕生の夢が膨らんできた。

 堂上は1月よりオーストラリアのアマチュアリーグでプレーしており、そこでMLBのスカウトから高い評価を受けた。既に本人は予定を前倒しして4日に帰国。理由はチーム編成上のためと発表されたが、今回の交渉に備える意味合いもあるようだ。

 堂上は強肩と強打がウリのアイランドリーグナンバーワン捕手だ。横浜商大時代には阪神・鳥谷敬、ソフトバンク・馬原孝浩らと日米大学野球の日本代表にも選ばれ、03年のドラフト候補に挙がっていた。日産自動車を経て06年5月より香川オリーブガイナーズに途中入団。いきなり首位打者と本塁打の2冠に輝き、攻守にわたってチームの年間総合優勝に貢献した。

 昨季も扇の要として君臨し、打率.322、7本塁打、50打点をマーク。香川はリーグ連覇を達成し、独立リーグ・グランドチャンピオンシップを制した。このグランドチャンピオンシップで堂上はMVPを獲得し、2年連続のリーグ後期MVPとベストナインにも輝いている。リーグ2年間の通算成績は打率.324、18本塁打、95打点。

 背景にはレッドソックスの国際戦略も

 交渉中とみられるレッドソックスは現在、日本にターゲットを定めた国際戦略を進めている。昨年は松坂、岡島の両投手が入団し、3年ぶりのワールドチャンピオンに輝いた。日本人選手の獲得は貴重な戦力となるばかりでなく、グッズやスポンサー収入でジャパンマネーが流入して球団が潤う。この3月にはアスレチックスとの開幕戦を東京で開催することも決まった。

 ジョン・ヘンリーオーナーはかねてから「さらに日本人選手を獲得したい」と明言している。NPBのトッププレーヤーはメジャーリーグで年俸がバブル化しているため、レッドソックス側にも若手で有望な日本人選手を安い投資で確保したいとの思惑がある。いずれにしても契約がまとまれば、アイランドリーグにとっては、世界へその存在を発信するチャンス。交渉の行方を見守りたい。

(石田洋之)

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