今年のK-1最強王者を決める「K-1 WORLD GP 2007 FINAL」が12月8日、神奈川・横浜アリーナで行われ、王者セーム・シュルト(オランダ)がグラウベ・フェイトーザ(極真会館)、ジェロム・レ・バンナ(Le Banner Xtreme Team)、ピーター・アーツ(オランダ/チームアーツ)と実力者を打ち破り、史上初の3連覇を飾った。
 日本人でただ1人決勝トーナメントに進出した澤屋敷純一(チームドラゴン)は準々決勝でアーツに1R1分29秒、KO負けした。
(写真:決勝戦、シュルトは1分29秒KOでアーツを下し3連覇を決めた)
 ホースト、アーツ、ボンヤスキーといった歴代王者が誰も達成できなかった3連覇の金字塔を、“絶対王者”シュルトが打ちたてた。
 この日の初戦、準々決勝のフェイトーザとの一戦では、2Rにブラジリアンキックを浴び、ヒヤリとする場面もあったが、すぐに体勢を戻し試合をコントロール。3Rもフェイトーザを寄せ付けず、最後はひざ蹴り、前蹴りでまとめて3−0の判定勝ち。
 続く準決勝は、昨年も対戦しているバンナ。悲願の優勝を目指すバンナは、準々決勝でチェ・ホンマン(フリー)に判定勝利をあげ気合十分。序盤から前に出て圧力をかけるバンナだったが、1R終了間際、シュルトの右ひざをまともに浴びてしまう。2R、バンナはシュルトのローキックにたまらずダウン。立ち上がったもののダメージを引きずるバンナに、セコンドからタオルが投入された。2R1分2秒、シュルトがTKO勝利で決勝進出を決めた。

 シュルト×アーツという昨年と同じ顔合わせとなった決勝戦。アーツは準々決勝で澤屋敷に1RKO勝ち、続く準決勝、準々決勝でバダ・ハリモロッコ(ショータイム)に判定勝ちし勝ち上がったレミー・ボンヤスキー(チームボンヤスキー)との激戦の末、判定3−0で勝利し、決勝進出を決めた。
 好調な戦いぶりを見せてきたアーツは、決勝でも積極的にシュルトとの間を詰めていくが、シュルトはひざ、パンチで応戦。1分を過ぎたところでシュルトが左ストレートをヒットさせると、アーツの右ひざに異常が発生。苦しい表情でマットに崩れ落ちたアーツは立ち上がれず、1分29秒KOで、シュルトが優勝を決めた。
 前人未踏の快挙を達成し、両手を突き上げ全身で喜びを表現したシュルト。「3連覇できて非常にうれしい。簡単ではなかったが、このトーナメントのためにトレーニングを積んできた。良い試合をして夢がかなった。K-1の15周年の年に3連覇を果たし、歴史に残る選手になれた」。会見ではこう語り、「来年はまだ誰もやったことのない4連覇を成し遂げたい」と、さらなる金字塔への意欲を見せた。

 シュルトには及ばなかったものの、存在感を十分に示したアーツは、この日の決勝戦について「パンチのダメージはないが、踏み込んだ時に床が滑って足を痛めてしまった。今日は2試合目でスタミナを消耗してしまった。3試合目は自分の攻撃を出す前に試合が終わってしまって非常に残念」と振り返った。

試合結果は以下のとおり。

<オープニングファイト>
○野田 貢(日本/シルバーアックス)
TKO 2R1分13秒 ※レフェリーストップ
×ノエル・カルデット(フランス/ファウコンジム)

○ヤン“ザ・ジャイアント”ノルキヤ(南アフリカ/フリー)
TKO 2R0分11秒 ※レフェリーストップ
×キム・ドンウック(韓国/チームベアバトル)

○立川隆史(日本/TRY OUT)
KO 1R1分21秒 ※右ロー
×キム・キミン(韓国/キョンヒ武芸アカデミー)

<第1試合>※リザーブファイト
○ポール・スロウィンスキー(オーストラリア/チームミスターパーフェクト)
KO 2R0分50秒 ※右ロー
×マイティ・モー(USA/フリー)

<第2試合> ※準々決勝 
○ジェロム・レ・バンナ(フランス/Le Banner X tream Team)
判定3−0
×チェ・ホンマン(韓国/フリー)

<第3試合> ※準々決勝
○セーム・シュルト(オランダ/正道会館)
判定3−0
×グラウベ・フェイトーザ(ブラジル/極真会館)

<第4試合> ※準々決勝
○レミー・ボンヤスキー(オランダ/チームボンヤスキー)
判定2−0
×バダ・ハリ(モロッコ/ショータイム)

<第5試合> ※準々決勝
○ピーター・アーツ(オランダ/チームアーツ)
KO 1R1分29秒
×澤屋敷純一(日本/チームドラゴン)

<第6試合> ※準決勝
○セーム・シュルト(オランダ/正道会館)
TKO 2R1分2秒 ※セコンドからのタオル投入
×ジェロム・レ・バンナ(フランス/Le Banner X tream Team)

<第7試合> ※準決勝
○ピーター・アーツ
判定3−0
×レミー・ボンヤスキー

<第8試合> ※スーパーファイト
○武蔵(日本/正道会館)
KO 1R2分59秒 
×デビッド・ダンクレイド(フランス/ファウコンジム)

<第9試合> ※決勝戦
○セーム・シュルト(オランダ/正道会館)
KO 1R1分29秒
×ピーター・アーツ(オランダ/チームアーツ)
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