25日、プロ野球の日本シリーズ第５戦が東京ドームで行われ、オリックスが６対５で勝利し、対戦成績を２勝３敗とした。

 

　ヤクルトが原樹理、オリックスが山﨑福也の先発で始まったこの試合、先制したのはヤクルトだった。２回、先頭のドミング・サンタナがフォアボールを選び、続く中村悠平がレフト前ヒットで三塁まで進み、無死一、三塁。ここでホセ・オスナの三塁ゴロ併殺の間にサンタナが生還した。

 

　１点を追うオリックスは４回、２死から吉田正尚がライト線にツーベースを放ち、続く杉本裕太郎がセンター前へ。３番、４番の連打で同点に追いついた。だが、その裏、ヤクルトは先頭の村上宗隆が２－２と追い込まれながら、５球目のストレートを左中間スタンドへ運び２対１、再びリードを奪った。

 

　６回、１番からと好打順のオリックスは、福田周平、宗佑磨が倒れ２死の後、吉田がファーストのオスナの送球エラーで出塁。さらに杉本が三遊間を破り、２死一、二塁。ここでヤクルトベンチは原を諦め、２番手・田口麗斗をマウンドに送った。ここで左打席には５番のT-岡田。岡田は１ボール１ストライクからインコースのストレートをライト前に弾き返し、吉田が生還。オリックスが試合を振り出しに戻した。

 

　６回裏、オリックスは山﨑がそのままマウンドへ。青木宣親、山田哲人を打ち取り２死としたものの、村上に一塁線を破られ、さらにこの打球処理をライト杉本がもたつく間に、三塁を奪われた。続くサンタナにはストレートのフォアボールを与え、２死一、三塁。ここでオリックスベンチは山﨑から２番手・吉田凌にスイッチした。


　打席にはここまで打率３割７分５厘と好調の中村。フルカウントまで粘ったが、最後はライトフライに打ち取られた。


　７回、オリックスは先頭の紅林弘太郎がレフト前ヒットで出塁し、すかさず伏見寅威が送って１死二塁。８番にはこの日、スタメンセカンドで起用された太田椋。太田は３番手・石山泰稚の甘く入ったストレートを右方向に弾き返し、これが右中間を破るスリーベースとなり、３対２、オリックスがこの試合、初めて勝ち越した。続く代打スティーブン・モヤはフルカウントからバットを折りながらライト前へ運び、オリックスがさらに１点を追加した。


　４対２とリードしたオリックスは、８回に伏見寅威がシリーズ初ヒットとなるタイムリーツーベースを放ち、５対２。ヤクルトを突き放した。


　８回裏、オリックスのマウンドはタイラー・ヒギンス。ヒギンスは塩見泰隆、青木を連続して歩かせ、３番・山田にも制球に苦しみ３ボール１ストライクからチェンジアップを打たれ、これがレフトスタンド上段に飛び込む同点３ラン。５対５、ゲームは再び振り出しに戻った。


　９回、ヤクルトは守護神スコット・マクガフをマウンドに、オリックスは太田に代えてアダム・ジョーンズを代打に送った。ジョーンズは２ボールから高めのカットボールをジャストミート。打った瞬間にそれとわかる当たりは、レフトスタンド中段へ。土壇場でオリックスが１点を勝ち越した。


　９回裏、ヤクルトの攻撃を守護神・平野佳寿が、四球を出しながら、後続を断ち、ゲームセット。勝ち越しホームランを放ったジョーンズは「良い球がきたら迷わず打とうと思っていた。手に感触が残らないくらい完璧な当たりだった。このチームは最後の最後まで諦めない。神戸ではより大きな声援をお願いします」と語った。また中嶋聡監督は、第６戦の先発を「山本由伸でいきます」と明言した。その第６戦は27日、ほっともっとフィールド神戸で18時にプレーボール。

 

（文／SC編集部・西崎）

 

11月25日（木）
◇日本シリーズ

 

　初スタメン太田椋、適時三塁打（ヤクルト３勝２敗　東京Ｄ）
オリックス　６　＝　０００｜１０１｜２１１
東京ヤクルト　５　＝　０１０｜１００｜０３０
勝利投手　山岡（１勝）
敗戦投手　マクガフ（２敗２Ｓ）
セーブ　平野（１Ｓ）
本塁打　（オ）ジョーンズ１号ソロ
　　　　（ヤ）村上２号ソロ、山田１号３ラン