愛媛FCが誇るアカデミーのトップ、愛媛FC U-18チームは、2021シーズンもリーグ戦や各種大会において素晴らしい活躍を魅せてくれた。彼らの1年間の戦いを振り返りたい。

 

 愛媛FC U-18は主戦場とするプリンスリーグと並行して「2021 第28回Jリーグユース選手権大会(大会期間:3月20日~12月31日)」にも出場。

 

 全国のJリーグユースチームが各地域のグループステージにて優勝を目指す大会である(新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2021年は大会方式が変更となり、グループステージのみでの戦いとなった)。

 

(写真:U-18ホームゲームにて、約1年ぶりに横断幕を掲出)

 大会の基本理念として若手選手育成を目的としており、出場選手は原則としてU-17(17歳以下)の選手が中心となる。公式戦への出場機会が少ない選手たちにもチャンスを与え、四国だけではなく各地域の同世代の選手達の実力を肌で感じ、実戦から様々な事を学ぶためにも重要な大会である。

 

 愛媛FC U-18が所属するグループIには、ガイナーレ鳥取U-18、FC今治U-18、ファジアーノ岡山U-18、カマタマーレ讃岐U-18、徳島ヴォルティスユースが参戦。ホーム&アウェイでの全10試合となった。

 

 初戦、愛媛はアウェイの鳥取戦に勝利した。その後も連勝で首位のまま、リーグ戦終盤戦に突入。ここまで調子が良かった愛媛だが、10月の鳥取との試合で引き分けると、翌週の岡山戦では今季初黒星となる1点差での敗戦を味わうことになった。

 

 その敗戦から2週間後の11月13日(土)。愛媛にとってのJユースリーグ今季最終戦となる讃岐との戦いが、ホーム(愛フィールド梅津寺)で行われた。 2021シーズンにおけるホームゲーム(愛媛FC U-18の公式戦)では、唯一この試合のみが有観客となり、サポーターによる応援(様々な制限があるため拍手や手拍子のみの応援)や横断幕の掲出なども許された。

 

(新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2021年のプリンスリーグ四国は全試合が無観客での開催)ということで、約1年振りに愛フィールド梅津寺へ「伊豫魂」幕を持ち込み、試合前に掲出した。

 

(写真:2021Jユースリーグ、ホーム最終戦(<対 讃岐U-18戦>)

 会場には、20名程のお客様が来場されていたが、そのうち応援サポーターは私一人だけ。残りの観客は選手の保護者やご家族・ご友人だった。何故なら、丁度その日(ほぼ同時間帯)、トップチームのJ2公式戦(アウェイの新潟戦)が行われていたためである。 トップチームの試合を気にしながらも、私は全力の手拍子チャント応援で愛媛FC U-18の選手たちを後押した。

 

 試合が始まって15分ほど経過すると、一人で手拍子している私のことを見るに見兼ねたのか(愛媛の)選手の保護者の方々が一緒になって手拍子応援をしてくださった。

 

 そのお蔭もあってだろうか、前半33分、相手ゴール前での混戦からFW大野耕平選手が先制ゴールを決める! 更に1分後の前半34分。相手によるリスタートのボールを奪い、大野選手が相手ペナルティーエリアまで持ち込みシュート! 見事、敵ゴールマウスに突き刺さった。相手の隙を突いた速攻による素晴らしい追加点だった。

 

 その後は、お互いに得点を決められずタイムアップ。終始、試合を優位に進めた愛媛FC U-18が2-0で勝利。Jユースリーグ今季最終戦を白星で締め括った。

 

 2021Jユースリーグにおける愛媛FC U-18の総合戦績は、(新型コロナウイルス感染拡大の影響により1試合が中止となる中)7勝1敗1引き分け(勝ち点22)で6チーム中、1位。見事、「グループI」優勝を果たした。

 

 グループIの最終順位は以下の通り。

優勝:愛媛FC U-18(勝ち点22)

2位:ガイナーレ鳥取U-18(勝ち点16)

3位:FC今治U-18(勝ち点15)

4位:ファジアーノ岡山U-18(勝ち点14)

5位:カマタマーレ讃岐U-18(勝ち点9)

6位:徳島ヴォルティスユース(勝ち点1)

 

 今大会は、17歳以下の選手たちや普段、出場機会に恵まれない選手の成長を感じられた。愛媛FCアカデミーにとっても大きな成果が得られた意義のある大会だったのではないだろうか。

 

 次世代に向けたチームのレベルアップのために、今後も「Jリーグユース選手権大会」や「日本クラブユースサッカー選手権大会」などを利用して、様々な選手にチャンスを与え、効果的な育成に取り組んでもらいたい。

 

<次回は「高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ2021プレーオフ」などについてお伝えします>

 

(後編につづく)

 

<松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール>

1967年5月14日、愛媛県松山市出身。愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。


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