15日、北京冬季オリンピックのスノーボード女子ビッグエア決勝がビッグエア首鋼で行われ、村瀬心椛(ムラサキスポーツ)が171.50点で銅メダルを手にした。17歳3カ月でのメダル獲得は、2010年バンクーバー大会フィギュアスケート女子シングル銀メダルの浅田真央さん(19歳5カ月)を抜く冬季五輪の日本女子最年少。オーストリアのアナ・ガサーが185.50点で大会2連覇を果たした。その他の日本勢は岩渕麗楽(バートン)が166.00点で前回平昌大会に続く2大会連続の4位、鬼塚雅(星野リゾート)が65.25点で11位だった。

 

 村瀬は前日に2位通過した予選の勢いそのままに1回目から安定したエアを披露した。コーチから背中を押されスタートすると、高さのあるバックサイドのダブルコーク1080(斜め軸に縦2回転、横1回転)を繰り出して、着地もしっかり決めた。得点は80.00。決勝に進んだ12人全員が1回目を終了した時点で4位につけた。

 

 決勝は3回の試技を行い、そのうちの得点が高い2回の合計点で競う。圧巻だったのは2回目のエアだ。1回目とは逆のフロントサイドのダブルコーク1080に挑んだ。勢いよくジャンプ台から飛び出した村瀬は、ボードを掴みながら綺麗な放物線を描き、縦横計3回転。再び着地を決めた。

 

「バックサイドがなかなか練習から走らなかった。もうフロントはぶっ飛んで、グラブを掴んで、着地しないと表彰台に乗れないと思ってめちゃくちゃ走らせました」

 

 91.50点の高得点をマーク。1回目と合わせて171.50点で3位に浮上した。最終演技を残してメダル圏内に突入。そして、迎えた3回目は村瀬の出番が回ってくるまでに、他の9人が彼女の得点を上回れず、銅メダル以上が確定した。

 

 表彰台が決まった中での3回目、村瀬はさらに上を目指すため攻めた。しかし、逆転を狙ったバックサイドダブルコーク1260(斜め軸に縦2回転、横1回転半)は、風の影響もあって飛距離が出せず、転倒した。得点は伸ばせなかったものの、村瀬の表情は晴れやかだった。

 

「ほんと夢みたいで信じられなくて、ここに来られたのもみなさんのおかげ」

 試合後、ともに戦った岩渕、鬼塚への感謝も口にした村瀬は笑顔で、大舞台での挑戦を締めくくった。

 

(文/古澤航)