北京冬季五輪の女子スピードスケート1000メートルが17日、国家スピードスケート館で行われた。日本の髙木美帆(日体大職)が1:13:19の五輪レコードを更新し、金メダルを獲得した。銀メダルは1:13:83のユッタ・レールダム(オランダ)、銅メダルは1:14:61のブリタニー・ボウ(米国)。小平奈緒(相沢病院)は1:15:66の10位だった。

 

 順調にスタートを切った髙木美帆は200メートルを27:39で通過した。その後も力強く躍動感あふれるスケーティングを披露し、200~600メートル間を26:47で滑り抜けた。最後の直線は歯を食いしばりながら滑り切る。600~1000メートル間のタイムは28:71。合計タイムは1:13:19とオリンピックレコードをたたき出し、髙木美帆は五輪個人種目で初の金メダルを獲得した。

 

 この1000メートルは今大会5種目(これまで500、1500、3000、団体パシュート)7レース目だった。体は悲鳴を上げていた。レース後、髙木美帆は苦しさをこう吐露した。

「正直、体は限界が来ていた。疲労感というより堰がでるなど、内臓がぎりぎりの状態でした」

 

 500、1500、団体パシュート(すべて銀メダル)に続く今大会4つ目のメダルは黄金色だった。髙木美帆は北京冬季五輪を振り返った。

「この五輪の出だしは辛かった。自分の調子を上げ切れないまま3000、1500を迎えた。苦しい始まりだったが、最後に(1000メートルで)自分のすべてを出し切ることができた。もし金メダルを獲れなくても、悔いはないレースができた。さらに金メダルを獲れたとことで、嬉しさが倍増しました。結果がかたちに残ってよかったです」

 

 ウォーミングアップの段階では鋭かった眼光が、表彰台の真ん中では笑顔に変わった。日本選手団主将の重責を担いながら、見事に結果を残した。

 

(文/大木雄貴)