サッカーカタールワールドカップアジア最終予選・最終節の日本代表対ベトナム代表戦が29日、埼玉スタジアムで行われ、1対1の引き分けに終わった。試合は前半19分にベトナムのDFグエン・タイン・ビンに左コーナーキックからヘディングで得点を決められた。日本は後半9分にDF吉田麻也(サンプドリア)の得点で追いついたものの、あと1点が遠かった。

 

 日本、前半のチグハグが響く(埼玉スタジアム)

日本代表 1-1 ベトナム代表

【得点】

[ベ] グエン・タイン・ビン(19分)

[日] 吉田麻也(54分)

 

 日本は前節のオーストラリア代表戦から先発メンバーを9名入れ替えた。

 

 システムは4-3-3。GK川島永嗣(ストラスブール)。DFは左から中山雄太(ズヴォレ)、谷口彰悟(川崎フロンターレ)、吉田、山根未視(川崎フロンターレ)。中盤はアンカーに柴崎岳(レがネス)、左インサイドハーフに旗手怜央(セルティック)、右インサイドハーフに原口元気(ウニオン・ベルリン)。FWは左から三笘薫(サンジロワーズ)、上田綺世(鹿島アントラーズ)、久保建英(マジョルカ)。

 

 試合の入りから日本は全体的にポジションニングが悪く、ベトナムの5-4-1の守備網をつり出すことができなかった。特にアンカーの柴崎がバランスを取ろうとするあまり、相手のワントップに対し、吉田、谷口のツーセンターバックとともに後ろに残る時間が長かったように映った。加えて、右ウイングの久保は位置取りに迷いが見られ、相手守備陣をおびき出すには至らなかった。

 

 前半19分。相手の左コーナーキックからグエン・タイン・ビンにファーから頭で合わせられて日本は先制を許した。

 

 前節から9名も入れ替えている影響は大きく、ゲームを進めながらポジションニングの修正はできず、試合を折り返す。後半から日本は旗手に代えてMF伊東純也(ヘンク)を投入。久保をトップ下に移して4-2-3-1にシステムを変えた。

 

 後半9分だった。キャプテンの吉田がピッチ中央でベトナムのパスをインターセプトすると、左サイドに展開し、そのままスルスルと相手ゴール前に駆けあがっていく。左サイドからペナルティーエリア手前でボールを受けた原口が右足を振り抜く。これはGK正面をついたがボールがこぼれた。このボールを上がってきた吉田が押し込んで試合を振り出しに戻した。

 

 5-4-1の守備的な布陣を変更しない相手に対し、活路を見出せない日本。上田にゴールを、とばかりにクロスを放り込んだが奏効せず。43分には途中出場したMF田中碧(デュッセルドルフ)の右サイドからの折り返しに上田が走り込んでシュートを放ち、ゴールネットを揺らすものの無情にもオフサイドの判定。

 

 日本は格下相手にドローに終わった。日本はW杯本選の抽選会ではポット3に入る可能性が高い。猛者たちが集うW杯に向けて、どう準備を進めていくのか。

 

(文/大木雄貴)